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2018年 12月 02日
ボヘミアンラプソディ
先週、RSPに参加した水曜日、ちょうどレディースデーだったこともあり、チャンスだ!と観に行って来ました。もう、イベントから帰って荷物置いてまたすぐ映画館へと、メチャ忙しい休暇だった…。

この映画、チケット取るのにうかうかしてると満席になっちゃって、こんなにクイーン好きがいたのか??と思うほど。”胸アツ応援上映"なんてのもあって、それは拍手・発声・歌・コスプレOKらしい(笑)。何か変なコピーだなぁナニコレ?…と普通の字幕で観ちゃったのだけれど、それもよかったかなぁ…なんて(笑)。

フレディ・マーキュリー:ラミ・マレック
ブライアン・メイ:グウィリム・リー
ロジャー・テイラー:ベン・ハーディ
ジョン・ディーコン:ジョゼフ・マゼロ

フレディは顔が瓜二つというわけではないけれど、エキゾチックな雰囲気、立ち振る舞いや動きはフレディを彷彿。ちょっと体の線が弱く華奢な感じだとは思うけれど、あのフレディをよくここまで演じたなぁと感心。

他の3人はある意味フレディ以上に似ていてびっくり。

当時はインターネットもtwitterももちろんなく、情報はラジオの音楽番組とか音楽誌だった時代なのだけれど、正直音楽以外のこと、メンバーのプライベートやら何やらは殆ど知らず、というか興味も示さず、ただ音楽を聴いていたんだなぁ、何も知らなかったんだなぁ…と今さらながら知ったのでした。

だから、映画の中で描かれているフレディの孤独や寂しさは見ていて辛く、もし、はないけれど、もうちょっと時代が進んでいたら出生やセクシャリティで悩むことはなくもっと自由になれたのかなぁ…なんて考えたり。

でも、それを言っても仕方ないし、彼の苦悩は彼にしかわからないこと。
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つくづく思うのは、私の音楽のスタートがQUEENで良かったと思うのです(ベイシティローラーズもあったけどアイドルで音楽ではなかった)。

彼らの様々な要素を取り入れた曲を四の五の言わずにただ"良い"と聴いていたからこそ、その後、今に至るまでジャンルに囚われることなく"良い"とか"好き"と感じる自分の耳で聴くようになったのだと思うのです。

ついでに言うなら、セクシャリティについても今でこそGLBTとか言われているけれど、当時からそれが聴かない理由にはならなかったし、気にも留めなかったのは今でも同じ。

そういう点で、QUEENは色々な壁を取っ払ってくれたのではないかと。

バンドとソロの違いはあれど、何を言われようとどう見られようと自分(たち)の信念で確立した唯一無二のスタイル、見る人を熱狂させるパフォーマンス、繊細さと強さと自信が同居した雰囲気、天賦の才能、孤独、寂しがり…ちょっとプリンスのことが頭をよぎったり。

実際、プリンスの自伝的映画『パープル・レイン』はフレディのお気に入りだったそう。映画やアルバムは1984年発表なので、1985年のライブエイドと同じ頃。

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実は、私はフレディが短髪でヒゲスタイルでいかにも…になる前の、まだどことなく初々しいというか、自分たちの成功を手に入れる一歩手前のようなヒゲのない精悍な、でもどことなく影がある彼が好きなのです。既にステージ衣装はハチャメチャではあったけれど(笑)。

映画を観に来ているお客さんは、結構年齢層が高いので私と同じく1次世代のファンでしょうかね。そしてTVやCMで知った2次世代の若い人たちも。そして何回も観ちゃってる人が多いのも頷けるかも。

私もまた観にいっちゃおうかなぁ(笑)。

大ヒットしているけれど賛否もないわけじゃないよう。でもね、私は単純に楽しめてちょっと泣けて、4人の繋がりが垣間見れて、QUEENの曲を、フレディの声を聴けて、それだけでいいんじゃないかと思うなぁ。細かいどこそこが違うとか、〇〇に触れていないのはおかしいとか、××はちょっと違うとか...ね。

フレディがファンに望んだように、ただ楽しんでもらいたいんじゃないかな。



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▲ by sohla | 2018-12-02 22:19 | いろいろ | Comments(0)
2017年 08月 07日
ダンサー、セルゲイ・ポルーニン 世界一優雅な野獣
この時に上映前の予告でホージアの「Take Me to Church」のMVが大画面に映し出されて知ったこのドキュメンタリー映画。MVはyoutubeで2000万回以上も再生され、私も世界的バレエダンサーとコラボしたホージアの新MVが話題と観たのでした。因みに私のgoogle Play Musicにもこの曲は入れてあります。なので予告で見た時に、これは絶対に見る!と思っていたんです。
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とは言っても、このMVで踊るセルゲイ・ポルーニンのことは全く知らず、でも肉体とその動きで感情を表現した圧倒される踊りに、息が止まるような、心が揺さぶられるような。

この楽曲はアイルランド出身のホージア。ロシアの同性愛禁止法におけるゲイの人々への抑圧を非難するためにこの楽曲を制作したとのことでオリジナルMVはコチラ。2015年の第57回グラミー賞で年間最優秀楽曲賞にノミネートされ、確か当日パフォーマンスも披露してます。

そして、こちらが写真家デヴィッド・ラシャペルによるセルゲイ・ポルーニン版MV。



この映画の配給として名を連ねているパルコが、2014年にスタートさせたコーポレートメッセージ『SPECIAL IN YOU』第8弾広告にセルゲイ・ポールニンを起用、今年4月にプロモーションで来日した際の写真や映像などがコチラ。


セルゲイ・ポルーニン | Sergei Polunin

1989年、ウクライナ・ヘルソン生まれ。4歳から体操を始め、幼いころからバレエの才能を発揮し、貧しい家庭環境でありながらも9歳でキエフ国立バレエ学校に入学。母親のガリーナは彼と一緒にキエフに移住し、父のウラジーミルはポルトガル、祖母はギリシャで働き、金銭的なサポートをした。

2003年、13歳でルドルフ・ヌレエフ財団の後援を受け英国ロイヤル・バレエスクールに入学。2006年にローザンヌ国際コンクールで金賞を受賞し、同年、世界最大のバレエ・コンクール、ユース・アメリカ・グランプリではグランプリを受賞。2008年、ロイヤル・バレエ団入団1年でファースト・ソリストに昇格。2009年6月、19歳のポルーニンはロイヤル・バレエの史上最年少男性プリンシパルとなるも、2年後の2012年1月24日に突如退団。

ロイヤルバレエ団退団後ロシアに移り住み、ロシアの著名なダンサー、イーゴリ・ゼレンスキーに招かれ、スタニスラフスキー・ネミロヴィチ=ダンチェンコ記念音楽劇場(国立モスクワ音楽劇場バレエ)とノヴォシビルスク国立オペラ劇場バレエ団のプリンシパルとなった。また、ゼレンスキーが芸術監督を務めるバイエルン国立歌劇場バレエ(ミュンヘン・バレエ)で「常任ゲスト・アーティスト」となっている。

現在はダンサーを支援する組織“プロジェクト・ポルーニン”を発足。2017年3月には、“プロジェクト・ポルーニン”と題した自身のプロデュース公演が同劇場にて開催された。

映画出演も決定しており、ケネス・ブラナー監督、ジョニー・デップ主演の『オリエント急行殺人事件』、ジェニファー・ローレンス主演『RedSparrow』、レイフ・ファインズ監督によるヌレエフの伝記映画『The White Crow』などが待機中。




映画のタイトルに"世界一優雅な野獣"とあるけれど、ドキュメンタリー全般に映し出されているのは、繊細で、純粋で、知的で、優しく、類まれな才能を持ち、苦悩する青年。そして家族の物語。

セルゲイの学費を捻出するために家族が出稼ぎに行くとか、ロシア時代の古めかしい映像を見ていると、何だか昔の話しかと錯覚するのだけれど、映像の中で彼がスマホで写真を撮ったりしているのを見ると、あぁつい最近のことなんだなぁと感じます。実際、彼はまだ現在28歳なので、9歳で母親とキエフに移ったのが約19年前、19歳でロイヤル・バレエの史上最年少男性プリンシパルなったのが約8年前、突如退団したのが約5年前、「Take Me to Church」のヒットが2年前と、つい最近の、というより現在進行中のことなんですね。
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ロシアでクラッシックバレエを学ぶことなくして今の彼はなかったとは思うし、最終的にロシアへ戻ったのも彼の意志だけれど、もし共産圏ではなかったら、もしイギリスではなくアメリカのバレエ団に入団していたら、これがあと10年後にズレていたなら…タトゥーや素行でbad boyと異端児扱いされ反逆児と騒がれることもなく、キャリアも違っていたんじゃないだろうか、理解者もいてこれほど苦悩することもなかったんじゃないか、なんてちょっと思ってしまいました。もちろん、彼は「もしあの時ああだったら」などとは考えないし、もしそうだったとしたら今の彼はないと思いますが。

それにしても、映画の冒頭で舞台へ出る前に心臓の薬やら何やらをごっそり飲む場面があるのだけれど、バレエがあれほど凄まじくエネルギーを消耗するものだと初めて知った気がします。命を削りながら舞台に立っているんじゃないかと思うほど。

観客の拍手に優雅に応え、控室に戻ると半ば放心状態でクタクタだと荒い息で衣装を剥ぎ取り座る姿は痛々しいほどで、ボトルに水を入れて置いておく?飲まないと死んじゃうわ、というスタッフの女性に、「もう手遅れだよ」と再び舞台に向うセルゲイ。

そして家族の物語と書いたのだけれど、学費を工面するためにバラバラになった家族をまた一つにするのは自分のバレエだという願いとプレッシャー…9歳の男の子がそんな思いを背負って、その後、今に至るまでずっと苦悩し、もがきながら、言葉通り身を削って踊っていたんですね。
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彼は「Take Me to Church」を"ラストダンスのつもりで踊った。あの時ダンスが好きじゃなかったし、バレエ界にも腹を立てていたから。とにかく終わらせたかった"と。それが今までの彼の苦悩や様々な感情を表現したあの渾身の踊り、長い撮影の間は殆ど口をきかず、踊りながらずっと泣いていたそう。

実際には"終わらせなかった、終わらせることができなかった"のだけれど、「自分の踊りでみんなを喜ばせたい」「踊るのが好き」と、まだ10歳にもならない小さな男の子セルゲイが言っていた原点に苦悩し問いながら戻ることができた、というよりそこに到達しつつある彼を見て他人ごとながら本当に嬉しかった。

「Take Me to Church」の、あの渾身の踊りには、彼のこれまでの全てが込められていたと知って、ただのMVではないと納得、そして静かで温かい感動。素敵なドキュメンタリーでした。

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いつか"プロジェクト・ポルーニン"で自由に彼らしく踊る姿を、心に響く彼の全身全霊を込めた表現を是非見てみたいです。



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▲ by sohla | 2017-08-07 07:02 | みる・きく・かんがえる | Comments(0)
2017年 05月 01日
『メットガラ ドレスをまとった美術館』
GW中の5/1はメーデーで何と勤め先は休み(今時珍しい)。平日じゃないと出来ないことが出来る、週末だと混んでるところも空いてる、休みの上にそれが平日となると嬉しさと期待感が倍増。と言っても特別なことはする予定はないんですけどね、コレやコレのように最近連続で観る機会があった映画、5/1はファーストディ(映画の日)でもあるのでもう一度観る気満々のMOONLIGHT、それからチケットを買っておいた展覧会にも行く予定。

と、ネットでチケットを予約していたら、渋谷Bunkamuraのル・シネマは毎週日曜日の最終上映会は1100円なんですね。GW前半の3連休なかび、翌日も休みとなったら最終回なんてどーってことありません。ということで4/30は『メットガラ ドレスをまとった美術館』を観てきました。
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NYCのメトロポリタン美術館(MET)で毎年開催される「The Costume Institute」の展覧会。服飾部門の活動資金を集めるため、US版「VOGUE」編集長でありMET理事でもあるアナ・ウィンター主催、5月の第一月曜日に開催されるガラパーティ<MET GALA>の裏側を追ったドキュメンタリー。

本編は2015年の展覧会「鏡の中の中国(Chinese: Through The Looking Glass)」のオープニングを飾った<MET GALA>の舞台裏を追ったもの。豪華なドレスを着たセレブが集うパーティは1人あたり$25,000という席料にも関わらず、600席は瞬時に満席となり、<MET GALA>はファッション界のアカデミー賞でありスーパーボウルと言われている。

いやー、これもいいです。

アナやキュレーターのボルトン氏をはじめ、チームが情熱や専門性を集結し様々な問題、懸念を解決しながら創り上げる世界も一つの作品ではないかと思いますね。映画の中にもある通り、未だにファッションを排除する美術関係者もいる中、絵画や彫刻と同じようにファッションも芸術であるというMET服飾部門の信念と誇りが感じられるよう。

テーマが中国だっただけに、些細なことが誤解や人種差別など誤った議論を生まないよう細心の注意と慎重さが求められ、対中国(政府)だけでなく、MET内のアジア美術部門や上層部とも折衝が必要な「政治的な」難しさに、妥協することなく目指す形に果敢に挑戦する姿勢はスリリングでさえあり、その情熱とパワーに感服。

「今さら明朝の壺なんて有り得ない」「なぜ今の中国がテーマではないのか」と、偉大な我が国の"今"を展示しろとでも言わんばかりの中国側の女性インタビューアーに、「ファンタジーがなければファッションは永遠に変化しない」とアナの一言、(中国という国もね)と心の中で私。

理念的、抽象的、超越的なことは脳のフィルターにブロックされて聞こえてすらいないような、まことに都合のよい現実主義の相手に話が通じるわけも相互理解ができるわけもなく、「彼女、1949年以前は認めていないのよ」(She just wants everything to start in 1949.)とインタビュー後に小声でボルトンに。

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今年2017年の展覧会はコムデギャルソンの川久保玲がテーマ、Rei Kawakubo/COMME des GARCONS:Art of the In-Between)。存命デザイナーとしては1983年のイヴ・サンローラン以来とのこと。その<MET GALA>はまさに今日開催。
Interview with Andrew Bolton



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▲ by sohla | 2017-05-01 22:28 | みる・きく・かんがえる | Comments(0)
2017年 04月 29日
MOONLIGHT
映画続きになってしまうのだけれど、普段映画館へ足を運ぶことがめったにない私でも、どうしても見ておきたかった『MOONLIGHT』。

舞台は、いじめ、ネグレクト、貧困、ドラッグが日常的にあるマイアミの貧困地区。そこで自分の居場所、アイデンティティを探し求める黒人少年シャロンの成長と恋心を、少年期(リトル)、青年期(シャロン)、成人期(ブラック)の3章構成で淡々と描いた物語、そして純真なラブストーリー。3つの成長過程を演じるのはそれぞれ異なった3人の俳優。
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何というか、言葉にするのは難しいのだけれど、胸が締め付けられるほど美しい映像、印象に残る音や沈黙が、心のすごく奥、自分でもその場所かどこか分からないけれども確かにある…それが記憶なのか、感情なのか、経験なのか、情景なのかわからないのだけれど、自分だけが知っている何かに沁みていく、何かの感覚が刺激される、そんな感覚。観てよかった、凄くいい映画でした。

全編を通して主人公のシャロンの笑顔は僅かしかなく、厳しい現実に切なく悲しく胸が痛くなる場面が多いのに、どうしてこれほど美しい映像なのか、どうしてその美しい映像がいつまでも心に残って、さらに日が経つほど鮮やかになっていくのか、そのあたりの秘密はこちらのよう。
'Moonlight' Glow: Creating the Bold Color and Contrast of Barry Jenkins' Emotional Landscape
Moonlight's Cinematmgrapheron Filming the Most Exquisite Movie of the Year

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3つの成長過程を別々の俳優が演じた主人公シャロン。
それぞれの顔をコラージュしたシャロンは驚くほど目が同じ。

アフリカ系米国人監督による作品がアカデミー賞で作品賞、LGBTQ映画で、殆どのキャストが黒人etc. 盛んに言われているように、ブラック・シネマとして、マイノリティ映画として意義が大きく快挙なのは実際確か。でも、私は黒人でもLGBTQでもない、幸いなことに疎外されたこともなく、孤独もさほど感じていない人間なので、(よかった)と思うのはそういった要因は全く関係なく、この映画そのもの。

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In moonlight Black Boys Look Blue

心の奥深く眠っている記憶を、あとになって開けて再生すると、もしかしたらこういう風に見えるのかも。映像も音も、あることは現実より鮮明で、あることはボヤけ、あることは誇張され、あることは抜け落ち、当時の自分を別の自分か見ているような。


と、ベタ褒めだけれど、実は何の予備知識も持たず、どんなストーリーなのかも知らずに観に行ったので、主人公のシャロンがセクシャリティが理由でからかわれ苛められているとは知らず、ただ小さくて華奢、おまけに(環境のせいか)口数も少ない男の子だから女とからかわれ苛められているのかと思って見ていた私(実際はからかいといった遊びではなく、文字通り胸くそ悪くなるような苛め、狩り)。

でも、ポーラがフアンに悪態をついて言った、
You ever see the way he walk, Juan?
You gon' tell him why the other boys kick his ass all the time? Huh?
で、あれ?となり、

シャロンがフアンに問いかけた、
Little: What's a faggot?
Juan: A faggot is ... a word used to make gay people feel bad.
Little: Am I a faggot?
で、そうなんだ、となった次第。

なので、自分はオカマもゲイの意味も知らない、自覚もないシャロンが、クラスメイトにからかわれるのはまぁあることだとしても(映画では単なるからかいではなく苛めだけれど)、母親や周囲、社会や大人が(この子はゲイだ)と'知っている'かのように扱うのが、私的にはちょっと不思議、というか理解できなかった。

逞しく力強く男らしいのが男だ!みたいな男性像はアメリカでは未だに強いのかもしれないけれど、本人の自覚もないのに(この子はゲイだ)と断定されそういう目でみられ扱われる社会だとしたら、そりゃ生き辛い。というか、そうだとしたらLGBTQなどセクシャリティについてだけでなく、何かが間違っている、相当許容性のない社会だと思うのだけれど。

私は小さい時に小さくて細くて、髪の毛もいつも床屋さんでワカメちゃんのように刈り上げで男の子と間違えられることは日常茶飯事。すばしっこかったのもあり動きも女の子っぽくなく「○○男~(私の名前+お)」と呼ばれたり、女子トイレや更衣室に入ると一瞬驚かれたりしたことも。もちろんそれは苛めではなくてからかわれたり、たまたまだったりと自分もわかっていたので、心の傷になって深く考えるほどではなかったけれど、子ども心にもいい気持ちはしなかったですねぇ。

かと言って、周りの大人にまで女の子の姿をした男の子だと決めつけられることはなかったけれど、もしシャロンのようにそうされたら、自分のセクシャリティにも影響があったんだろうか、と考えてしまったり。


さて、私が好きなのはやはりクライマックスと言えるシャロンがblackとして描かれる第3章。

シャロンが幼馴染のケヴィンに再開する、あのダイナーの場面。もちろん男性同士、男女のそれとは違いロマンティックな演出や台詞があるわけでもない、それまでと同じく淡々とした場面が、何故か官能的ですらあると感じたのは、既に私がシャロンの目になっていたからか。
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これが女×女の物語だったら、逆に女の私はそんな風には感じないのかもしれないんですけどね。そもそも女性の沈黙はここまで絵にならなさそう(差別じゃないけど)。

映画見ない私が本当に珍しくもう一度観たいな…と思ってしまったので、GW中にまた観に行っちゃいます(笑)。



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▲ by sohla | 2017-04-29 10:25 | みる・きく・かんがえる | Comments(0)
2017年 04月 23日
『エルミタージュ美術館 美を守る宮殿』
先週4/20(木)渋谷ユーロライブで開催された『エルミタージュ美術館 美を守る宮殿』試写会&トークイベントに参加して来ました。

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前日の夜、というか朝というか、3時頃にこむら返りの激痛で起きてしまったので睡眠不足。これで仕事後に映画となると寝てしまうんじゃないか…と思ったけれど根性で乗り切りました。

『エルミタージュ美術館 美を守る宮殿』は、館長らの言葉を交えながら、壮大で華美な建物が美術館として背負ってきた歴史や新しい試みが綴られたドキュメンタリー。私はエルミタージュ美術館はおろかロシアにも行ったことがなく、またエルミタージュを謳う美術展にも行ったことがないのだけれど、皇帝の宮殿だったこれほど壮大な美術館とは知りませんでした。

2000部屋、所蔵品300万点、入館者数年間360万人、他のどこの美術館よりも多い学芸員、職員総数2500人だそう。これらの全てをちゃんと管理出来るもんなんだろうか、規模大き過ぎ。美術館のbehind of the sceneで映画が出来てしまうというのも、建物や存在が歴史の一部だからなんでしょうね。



館長やスタッフの証言、修復の様子、ドイツ侵攻時に所蔵品を疎開させる映像などとともに、長年にわたって集められてきた煌びやかな至宝が、高画質で美しい映像で次々と映し出されます。エカテリーナが愛人から贈られた時計、黄金の孔雀の動きや、小さな男の子(前館長だった父に連れられてエルミナージュには子供の頃からよく来ていたと話す現館長?)に導かれる様な映像が断片的に挿入され、夢物語風のようでも。

映画では新しい試み、現代作家とのコラボも紹介されてます。

Still Standing
- Antony Gormely, State Hermitage Museum, St. Pertersburg, 2011
 STILL STANDING marked the first time that a living artist had engaged with the Hermitage's classical galleries. Gormley placed nine ancient statues in a loose constellation directly on the ground so that these idealised and sexualised bodies shared the same conditions as the viewer.

Hermitage 20/21 Project
自動車工場からエルミタージュへ
エルミタージュにモスクワ分館

エルミタージュというと、歴史ある品々や巨匠の芸術をしこたま買って持っているというイメージなのだけれど、その誇りからなのか土地柄お国柄なのか、どうやらサンプトペテルブルグは保守的だったようで、お客さん(だと思われる)が当時の展覧会の様子を、(ゴームリーの作品を)uglyだけど皆楽しんでいた、というようなことを言っていていてちょっと苦笑。やはり芸術といったらミケランジェロなど巨匠もの、現代アートは(なんでしょう、これは!)状態だったんでしょうかね。でも、(なんだ、これは!)でも楽しみ方、感じ方は自由ですからね。

そういえば映画では、所蔵品を保管する保管庫がガラス張りで"見える"保管庫になっているという場面も収められてました。

試写の後は人気アートブロガーTak(たけ)氏によるトークも。映画にも出てきたマチスの『ダンス』を見てみたいと話しているのを聞いて、すっかり忘れていたのだけれど、そういえば20代そこそこの頃、ニューヨーク近代美術館でマチスの『ダンス』を見たような記憶が蘇って来ました。
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4/29(土)から全国ロードショーです。


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▲ by sohla | 2017-04-23 19:13 | みる・きく・かんがえる | Comments(2)
2017年 03月 20日
「エルメスの手しごと展」 -メゾンへようこそ
見にいきたい!でも19日で終了、行かなきゃ、行かなきゃと思っていた展覧会の1つは、乃木坂 TOTOギャラリー・間で開催されていたコチラ。そしてもう1つ、連休中に行ってしまいたいと駆け込みで申し込みをして行って来たのはこちら。

a0057402_07321654.jpg銀座メゾンエルメス10Fで開催の「エルメスの手しごと展」"メゾンへようこそ"の映画上映。

「エルメスの手しごと展」は、表参道ヒルズで開催されていた「エルメスの手しごと展」"アトリエがやってきた"が本イベントで、そちらは昨日3/19が最終日。

最終日なので恐らく凄く混雑して職人さんの仕事はまともに見れないだろうと思い、映画上映の予約が何とか取れた、こちらの"メゾンへようこそ"へ行くことにしました。こちらは3/26まで。

銀座では、この映画上映以外にも、トークセッション、ワークショップ、ライブドローイングなどのプログラムを開催していて、それぞれ申込み期限があったり抽選だったり、申込みが表参道でのみ受け付けだったりして、なかなか予定が合わず映画のみかろうじて予約が出来た感じです。サイトでは現在のところ最終日まで満席みたいなのだけれど、日によって席が出たり、当日行って空き席があれば入れるようですよ。この日も、別の日を申し込んだけれど今日見たい、と突撃していた人もいたので。

「パリと職人たち - Paris and Artisans」
銀座メゾンエルメス ル・ステュディオのプログラム・ディレクターで、パリで映画史の教鞭をとるアレキサンドル・ティケニスの監修のもと、パリの街中に暮らす職人や、手しごとをなりわいとする人々の姿を、時代を隔ててフィルムに収めた3作品

・「パリの小さな仕事」1932年 モノクロ 19分
自分の店を構える資格もなければ、余裕もない行商人や、流しの職人で通りが溢れていた戦前のパリ。床屋、マットレス製造職人、ガラス職人、画家etc.から大道芸人の類まで、彼らの商売風景、客引きの声や音、客や職人の表情など詩情的なモノクロ映画。

・「帽子職人」26分
国から"名工"の称号を与えられた親方と、見習いをする若い青年。昔ながらの製法で軍帽や舞台衣装の帽子などを作り、失われつつある技術を伝える親方と、技術を習得しながら伝統と革新を融合させたいと打ち込む青年。 

・「タゲール街の人々」1975年 カラー 80分
監督が暮らし働くタゲール街。パン屋、時計屋、理髪店、肉屋、仕立て屋、食品店、雑貨屋など、職人気質で小さく家族経営的、そして時間の流れの外にあるような商店で働く人たちの日常、言葉、表情、仕事など、監督の個人的なストーリーで構成された一冊のアルバムのような映像。

3作で約2時間!そんなに長いとよく見ないで申し込んだのでびっくり(笑)。どれもフランス映画風に静かで淡々としていて、正直途中で何度かウトウトしてしまった…(笑)。

「ハート&クラフト - Hearts and Crafts」2011年 46分
フランスにある4カ所のエルメス工房を訪ねてまわり、そこで働く職人、熟練職人から訓練生まで、の手しごとと向き合うひたむきな姿勢と眼差しを、様々なバックグラウンドを持つ職人の言葉を交えながら撮影したもの。

こちらは職人たちの言葉、顔つき、仕事をする手、作業の音…どれもがとても興味深かったですね。"職人にとって考える時間はとても大切、考えることで歯車が回り出す"という言葉に、心の中で大きく頷いたり。

革を切る、金属を研磨する、鋳型を磨く、染型を洗い流す、革を伸ばす、染料を混ぜる、様々な作業の音も印象的。

50歳を過ぎて見習いになった女性、政治的亡命者の男性から技を習う青年、耳が不自由でも教えることが好きだという手話で対話する職人、年をとって朝起きるのは辛くなったけれど、仕事へ向かうことは全く辛くないという捺染職人、染料の調合をしているミャオ族の女性etc. 彼らの仕事に対する愛情と誇り、世界一のモノを作っているという自信が静かに、力強く伝わって、いい映像だなぁと。
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10階の会場には素敵な雰囲気のブックギャラリーも。飲み物を頂けるので、ゆっくりと本のページをめくるのもいいかも。

どんなに何が進化しても、職人の技は超えられないというようなことを話していた職人さん。ものづくりが人の手から離れていく世の中になっても、職人の技は超えられないという確固たる自信と手ごたえを感じながら仕事をしている人だから言える言葉。

いや、あらためて本当に手で作っているのね、いやもう凄すぎる。そして職人のつくる喜びと誇りがひしひしと感じられて羨ましい。



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▲ by sohla | 2017-03-20 16:56 | みる・きく・かんがえる | Comments(0)
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