2009年 10月 05日
バリ島2009 - Swallow Guesthouse@Pejeng ⑦水の番
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夜になるとハウスの辺りがどうなるのかはだいだい想像が付くかと思うんですが、そりゃぁもう真っ暗です。遠くの方にチラホラと家の明かりは見えますが、半径300~400mの範囲には人家は無いって感じなので、少なくとも「お~い」と言って声が届く距離でも、手を振って見える(目の良いバリ人なら見えるかも)距離でもないですかね。
これ、フラッシュで撮ったので手前が妙に明るいですが、まぁ実際は真っ暗で数m先も見えません。目を凝らしても闇ばっかり。
ハウスに私1人で、外がこういう状態だってのを意識したら怖いですよねぇ。実際、もう1人の滞在者のLとはすれ違いだったので2泊は私1人で過ごしたんですが、その時は余り意識しなかったので、幸いこの闇に埋もれた環境が怖いとは思わなかったんですが。でも、もし、もし賊に(笑)遭遇しても、誰も気が付く人は居ないよなぁ・・・とは思いましたね。第一、逃げるにも懐中電灯があっても足元くらいしか照らさないし、前を見て闇に向かって走って逃げるなんて不可能ですしね。恐らく、Madeさんは敷地のどっかに居るか、時々見に来てはくれるんでしょうけれど部屋の外に出なければ見掛けることもないので、気分的には独りぼっちって感じですし。
そんなある夜、ハウスの前のあぜ道で人が話してる声がするんです。こんな夜にこんな所に来る用事なんて普通の人はないし、わざわざこんなところに来て闇の中で立ち話なんて??じゃないですか。なので、Madeさんなのか?Wayanさんなのか?なんて思って部屋の外へ出て見ても、部屋の入り口から4~5m程先のあぜ道さえ暗くて目を凝らしても闇。でもあちらからは「Hi!」なんて声はするんです。けれど姿は見えず(笑)。「だ、誰だ?'Hi'なんて言ってるけど知ってる人?」なんて思いながらソロソロと出て行ってみると、「Hi」って言いながら笑ってる全然知らないおじさんが2人(笑)、そしてその側にはMadeさんも。
何をしてるんだ、こんな闇の中で雨も降ってるのにこの男たちはっ(笑)。
何でも、今日は閉じられていた用水路が、夜中に開けられて再び放水?(分配)されるそうで、その水の番をしているのだと。
そうなんですね。昼間に私も気が付いたんですけれど、昨日はザーザーと流れていたハウスの前を通る用水路が、今日は水が止まって流れていなかったんです。なので、PutriさんやMadeさんに「どうして?」と聞いたところ、この辺りの田んぼには、1本はハウス前を通る用水路と、田んぼ2枚分くらい離れて平行に通っているあぜ道沿いにもう1本の2本の用水路が引かれていて、1日おきに交代に水を流しているそうで、今日はハウス側の用水路が閉じられていたということなんですね。なので、その用水路が夜中に開けられて、今度はこちらに水が流れ込んで来る。もう1本は明日は閉じられて水が止まるってわけです。
この分岐で細い水路に枝分かれして田んぼに水が流れ込み、残りの主流は下流へ流れてまた分岐して・・・と、少しずつ公平に田んぼに水を分配しながら流れて行きます。
田んぼにとって水(水利)は命みたいなもんでしょうし、それにバリの場合は信仰や義務みたいなものとも結びついているでしょうから、こうやってちゃんと水が各田んぼに流れて分配されていくか見届けたり番をするんでしょうね。もしかしたら、そんなに重要なものだと「少しでも多くコッチに水よ来い」なんて水を盗んじゃう人もいるかもしれないですし。
しかし、1日おきにこうやって夜中まで水の番をするなんて非効率で、流れさせとけばいいじゃんって感じもするんですけれど、そこがバリらしいと言うか、いや、世界中の田んぼを持っている人にとってはそれだけ水は大切なんだろうなと。
この辺りはウブドに比べても夜は寒く、田んぼの中の1軒家で吹きさらし、その夜は雨がシトシト降っていたのでなおさら。なのにおじさん達ったら夜中まで外で番をするっていうのに傘もさしてなきゃ、厚着もしてないんですよね。「ちょっとちょっと、寒くないのー?」って言ったら、「寒いよ!」ってニコニコ笑ってるし(笑)。なので、思わず「ソコ(私の部屋の前のポーチに)なら雨が当たらないから、ソコで待ってればいいよ、入って入って」と言ってしまいました。
本当は、地元の人だというのは確かだとしても、ハウスの敷地内にそうそう関係無い人を迎え入れてはマズいかな?とは思ったんですけれど、Madeさんの顔をチラッと窺うと別にニコニコして問題なさそうなのでOKかなと思いまして。で、さらに「寒いし、まだしばらく待つんだろうからコピを入れようか?」なんて。
私がこの家の持ち主みたいな振る舞いが板について来ました(笑)。
ポーチに1脚だけある椅子に、「オマエさんがここに座って、オレは床でいいから」って言われたんですけれど、さすがにこの雨降る肌寒い夜に夜中まで外で井戸端会議に付き合えぬと、「どーぞ-どーぞ、おじさんが座ってね」と譲り、迎え入れた私が先に失礼してはおじさん達も居辛いかもな~と思って、「いつ来た」とか「いつまで居る」などとしばし挨拶代わりに話を交わし、頃合を見て「それじゃぁ、そろそろ寝るから失礼して部屋に入るね」と退散。
しばらくボソボソと話し声がしてましたけれど、私も何やかやとやった後に眠くなったので部屋の明かりを落としてしまったんですが、その後水は無事に流れて来たんでしょうかね。雨の中お疲れさまでした。でも、おじさん達がそうやって夜中に水の番をするのだと知って、なかなか興味深かったし、薄暗くて顔も見えない中で一緒にコピを飲むのも面白かったですよ。
と言うわけで、一気にSwallow Guesthouseのことを書いてみました。結局たかだた3泊(それも連続せずに飛び飛びで)しかしなかったのが残念だったんですが、観光客には出会わないし、ハウス自体も2部屋しかないし、関わりあうとすれば地元の人達ばかり、近くに観光的なお店やレストランがある訳でもないからか、本当に自分の家みたいに過ごせたのが何だかとても不思議。考えてみれば、これが今回私が過ごしたかった過ごし方、観光観光した雰囲気から離れて、何をするかを自分で考え創り出して過ごす何も無い場所、なんですよね。
バティックに没頭するにもおあつらえ向きの場所で、一応道具はペジェンにも持って来ていたし、オイル(Minyak tanah)を使う小さなコンロを探してペジェンの中心部のお店に行ったりもしたんですが、何しろ飛び飛びで出入りしていたので中途半端に始められず、結局ここでは作業が出来なかったのが残念。
最低でも1週間の滞在型って感じでしょうか。本当に自分の家だと錯覚して腰を落ち着けちゃう場所だな~って感じなんです。もう1人の滞在者のLも、オーナー曰く私と同じ様な考えらしく、週末はクタへ行って楽しみ、それ以外はここで勉強に専念しつつローカルとの交流を楽しみながら2ヶ月滞在しているわけですが、田舎だって設備も劣らない、インターネットもOK、新しいのでまだ綺麗、頼めば喜んでお世話もしてくれる人がいる、けれど基本的には自力で放っていてもくれる、そういうのがOKな人にとってはなかなか魅力的で自分で工夫出来る貴重な場所かも。
今回は3日しか居なかったのでそういう機会は無かったんですが、オーナーの話では何か村でお祭りがあったり家で儀式があったりすればPutriさんとWayanさんが連れて行ってくれたり、彼らの家へ遊びに行ってご飯を一緒に食べたり、家族ぐるみのもてなしを喜んでしてくれる。彼らはそうすることを喜んでいるとのこと。勿論、Wayanさんは英語のガイドなので観光の相談は出来ますしね。
ウブドの北にあるプトゥルから餌を求めて飛来するココカン(白鷺)。Madeさん曰く、ウブドやプトゥル辺りじゃ田んぼも減って食べるものも無いんだよ、とのこと。確かに、ここなら人も居ないしまだまだ食べ放題。好きな所で食べて、好きな所へ帰って寝る、ココカンが羨ましい(笑)。
ウブドから見てこの東のエリアはまだ余り観光化されておらず素朴な田舎だけれど、外国人オーナーのレンタルハウスがポツポツあったりヴィラがあったりするところを見ると、「中心部はもういいよ」という人も結構いるのかもしれないですね。日本人観光客の多くは欧米人と比べてツアーなどで滞在日数が限られていて、どうしても滞在場所や滞在のスタイルが限られてしまって、なかなかメジャーではない場所1ヶ所に滞在するというのは考えてしまうとこなのかもしれないですけれども。
オーナーとはいまだにあれやこれやとメールでやり取りをしているんですが、'私と似た様な心と考えを持ったあなたと今回会うことが出来なくて本当に残念。いつの日かバリか・・・それか日本で会いましょうよ!'なんて社交辞令でも嬉しいですね。そういう彼女から、ご両親が京都に行ってみたいと言っているので、来年の夏に日本に行くという知らせが。あぁ、会えたらバリのことやらお互いのことやら人生やら(笑)話したいことが一杯あるんですよ。まずは、バリで素敵な場所を提供してくれて本当にありがとう!と言いたいな。
あ、そうそう。
私がここに滞在して感じた感想(原文はもっとダラダラと長いのを短くして、英語を添削して(当然、笑と)と写真をclient viewsにUPしてくれています。このプログと重複していて、ざっとの感想だけなんですがご参考まで。
Swallow Guesthouse@Pejeng
E-mail: swallowguesthouse@yahoo.ca
Contact: +62-85-23888-0050(Wayan)
Web: http://swallowhousetrading.com
これ、フラッシュで撮ったので手前が妙に明るいですが、まぁ実際は真っ暗で数m先も見えません。目を凝らしても闇ばっかり。
ハウスに私1人で、外がこういう状態だってのを意識したら怖いですよねぇ。実際、もう1人の滞在者のLとはすれ違いだったので2泊は私1人で過ごしたんですが、その時は余り意識しなかったので、幸いこの闇に埋もれた環境が怖いとは思わなかったんですが。でも、もし、もし賊に(笑)遭遇しても、誰も気が付く人は居ないよなぁ・・・とは思いましたね。第一、逃げるにも懐中電灯があっても足元くらいしか照らさないし、前を見て闇に向かって走って逃げるなんて不可能ですしね。恐らく、Madeさんは敷地のどっかに居るか、時々見に来てはくれるんでしょうけれど部屋の外に出なければ見掛けることもないので、気分的には独りぼっちって感じですし。
そんなある夜、ハウスの前のあぜ道で人が話してる声がするんです。こんな夜にこんな所に来る用事なんて普通の人はないし、わざわざこんなところに来て闇の中で立ち話なんて??じゃないですか。なので、Madeさんなのか?Wayanさんなのか?なんて思って部屋の外へ出て見ても、部屋の入り口から4~5m程先のあぜ道さえ暗くて目を凝らしても闇。でもあちらからは「Hi!」なんて声はするんです。けれど姿は見えず(笑)。「だ、誰だ?'Hi'なんて言ってるけど知ってる人?」なんて思いながらソロソロと出て行ってみると、「Hi」って言いながら笑ってる全然知らないおじさんが2人(笑)、そしてその側にはMadeさんも。
何をしてるんだ、こんな闇の中で雨も降ってるのにこの男たちはっ(笑)。
何でも、今日は閉じられていた用水路が、夜中に開けられて再び放水?(分配)されるそうで、その水の番をしているのだと。
そうなんですね。昼間に私も気が付いたんですけれど、昨日はザーザーと流れていたハウスの前を通る用水路が、今日は水が止まって流れていなかったんです。なので、PutriさんやMadeさんに「どうして?」と聞いたところ、この辺りの田んぼには、1本はハウス前を通る用水路と、田んぼ2枚分くらい離れて平行に通っているあぜ道沿いにもう1本の2本の用水路が引かれていて、1日おきに交代に水を流しているそうで、今日はハウス側の用水路が閉じられていたということなんですね。なので、その用水路が夜中に開けられて、今度はこちらに水が流れ込んで来る。もう1本は明日は閉じられて水が止まるってわけです。
この分岐で細い水路に枝分かれして田んぼに水が流れ込み、残りの主流は下流へ流れてまた分岐して・・・と、少しずつ公平に田んぼに水を分配しながら流れて行きます。
田んぼにとって水(水利)は命みたいなもんでしょうし、それにバリの場合は信仰や義務みたいなものとも結びついているでしょうから、こうやってちゃんと水が各田んぼに流れて分配されていくか見届けたり番をするんでしょうね。もしかしたら、そんなに重要なものだと「少しでも多くコッチに水よ来い」なんて水を盗んじゃう人もいるかもしれないですし。
しかし、1日おきにこうやって夜中まで水の番をするなんて非効率で、流れさせとけばいいじゃんって感じもするんですけれど、そこがバリらしいと言うか、いや、世界中の田んぼを持っている人にとってはそれだけ水は大切なんだろうなと。
この辺りはウブドに比べても夜は寒く、田んぼの中の1軒家で吹きさらし、その夜は雨がシトシト降っていたのでなおさら。なのにおじさん達ったら夜中まで外で番をするっていうのに傘もさしてなきゃ、厚着もしてないんですよね。「ちょっとちょっと、寒くないのー?」って言ったら、「寒いよ!」ってニコニコ笑ってるし(笑)。なので、思わず「ソコ(私の部屋の前のポーチに)なら雨が当たらないから、ソコで待ってればいいよ、入って入って」と言ってしまいました。
本当は、地元の人だというのは確かだとしても、ハウスの敷地内にそうそう関係無い人を迎え入れてはマズいかな?とは思ったんですけれど、Madeさんの顔をチラッと窺うと別にニコニコして問題なさそうなのでOKかなと思いまして。で、さらに「寒いし、まだしばらく待つんだろうからコピを入れようか?」なんて。
私がこの家の持ち主みたいな振る舞いが板について来ました(笑)。
ポーチに1脚だけある椅子に、「オマエさんがここに座って、オレは床でいいから」って言われたんですけれど、さすがにこの雨降る肌寒い夜に夜中まで外で井戸端会議に付き合えぬと、「どーぞ-どーぞ、おじさんが座ってね」と譲り、迎え入れた私が先に失礼してはおじさん達も居辛いかもな~と思って、「いつ来た」とか「いつまで居る」などとしばし挨拶代わりに話を交わし、頃合を見て「それじゃぁ、そろそろ寝るから失礼して部屋に入るね」と退散。
しばらくボソボソと話し声がしてましたけれど、私も何やかやとやった後に眠くなったので部屋の明かりを落としてしまったんですが、その後水は無事に流れて来たんでしょうかね。雨の中お疲れさまでした。でも、おじさん達がそうやって夜中に水の番をするのだと知って、なかなか興味深かったし、薄暗くて顔も見えない中で一緒にコピを飲むのも面白かったですよ。
と言うわけで、一気にSwallow Guesthouseのことを書いてみました。結局たかだた3泊(それも連続せずに飛び飛びで)しかしなかったのが残念だったんですが、観光客には出会わないし、ハウス自体も2部屋しかないし、関わりあうとすれば地元の人達ばかり、近くに観光的なお店やレストランがある訳でもないからか、本当に自分の家みたいに過ごせたのが何だかとても不思議。考えてみれば、これが今回私が過ごしたかった過ごし方、観光観光した雰囲気から離れて、何をするかを自分で考え創り出して過ごす何も無い場所、なんですよね。
バティックに没頭するにもおあつらえ向きの場所で、一応道具はペジェンにも持って来ていたし、オイル(Minyak tanah)を使う小さなコンロを探してペジェンの中心部のお店に行ったりもしたんですが、何しろ飛び飛びで出入りしていたので中途半端に始められず、結局ここでは作業が出来なかったのが残念。
最低でも1週間の滞在型って感じでしょうか。本当に自分の家だと錯覚して腰を落ち着けちゃう場所だな~って感じなんです。もう1人の滞在者のLも、オーナー曰く私と同じ様な考えらしく、週末はクタへ行って楽しみ、それ以外はここで勉強に専念しつつローカルとの交流を楽しみながら2ヶ月滞在しているわけですが、田舎だって設備も劣らない、インターネットもOK、新しいのでまだ綺麗、頼めば喜んでお世話もしてくれる人がいる、けれど基本的には自力で放っていてもくれる、そういうのがOKな人にとってはなかなか魅力的で自分で工夫出来る貴重な場所かも。
今回は3日しか居なかったのでそういう機会は無かったんですが、オーナーの話では何か村でお祭りがあったり家で儀式があったりすればPutriさんとWayanさんが連れて行ってくれたり、彼らの家へ遊びに行ってご飯を一緒に食べたり、家族ぐるみのもてなしを喜んでしてくれる。彼らはそうすることを喜んでいるとのこと。勿論、Wayanさんは英語のガイドなので観光の相談は出来ますしね。
ウブドから見てこの東のエリアはまだ余り観光化されておらず素朴な田舎だけれど、外国人オーナーのレンタルハウスがポツポツあったりヴィラがあったりするところを見ると、「中心部はもういいよ」という人も結構いるのかもしれないですね。日本人観光客の多くは欧米人と比べてツアーなどで滞在日数が限られていて、どうしても滞在場所や滞在のスタイルが限られてしまって、なかなかメジャーではない場所1ヶ所に滞在するというのは考えてしまうとこなのかもしれないですけれども。
オーナーとはいまだにあれやこれやとメールでやり取りをしているんですが、'私と似た様な心と考えを持ったあなたと今回会うことが出来なくて本当に残念。いつの日かバリか・・・それか日本で会いましょうよ!'なんて社交辞令でも嬉しいですね。そういう彼女から、ご両親が京都に行ってみたいと言っているので、来年の夏に日本に行くという知らせが。あぁ、会えたらバリのことやらお互いのことやら人生やら(笑)話したいことが一杯あるんですよ。まずは、バリで素敵な場所を提供してくれて本当にありがとう!と言いたいな。
あ、そうそう。
私がここに滞在して感じた感想(原文はもっとダラダラと長いのを短くして、英語を添削して(当然、笑と)と写真をclient viewsにUPしてくれています。このプログと重複していて、ざっとの感想だけなんですがご参考まで。
Swallow Guesthouse@Pejeng
E-mail: swallowguesthouse@yahoo.ca
Contact: +62-85-23888-0050(Wayan)
Web: http://swallowhousetrading.com
by sohla
| 2009-10-05 00:30
| それもバリ、これもバリ
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