2008年 09月 06日
コミュニティの消滅
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Excite : 社会ニュース
<東京・新宿に「限界集落」出現 大規模都営団地が高齢化>
東京・新宿区に65歳以上の住民が半数を超える大規模都営団地が出現したことが、6日分かった。高齢化に加え建て替えで高齢者が集中したのが原因で、高齢化率トップの群馬県南牧村並みの「限界集落」が都心に生まれた。区社協は孤独死の増加も心配されるとして、対策に取り組み始めた。中山間地で高齢化率が5割超の「限界集落」は存続が困難とされるが、インフラの整った都市では医療などの支援が重要。

正直、これって私の住んでいる一画のことか?と思っちゃいました。
私の住んでいる場所は、新宿の高層ビル群が倒れてきたらぶつかっちゃうかも、ってほどの言葉で言ったら都会のド真ん中。でも、ビルやマンションの谷間には写真の様な昔ながらの(朽ちかけそうな)アパートがまだ残っている一画があるんです。まぁ、ほんの路地2、3本の限られた一画だけなんですが、それにしてもこんな都会の中心部にこんなアパートがまだ残っているとは・・・と驚くやら懐かしいやら珍しがるやらで、結構写真を撮っている人も見かけるので、知ってる人もいるかもしれないですね。
私の友達はこの路地だけ異国みたいだ、って言ってました(笑)。
私の住んでいるアパートもそれらに負けず劣らずの古い2階建て木造アパートで、ここを借りる時に聞いた話では、バブルの頃に当然この辺りも地上げの嵐だったけれど、高齢で引っ越す先の当ても余裕もない住民が多かったので、結局地上げが出来ずにそのままの状態で残ったとのことでした。喉から手が出るほど立地が良い場所でも地上げ屋もお手上げのエリアってことだったんでしょうかね。

確かにそういうアパートに昔から住んでいる方々の年齢層は65才どころじゃなく高く、間口2間程度でせいぜい6畳か4.5畳の1部屋に台所があるくらいの広さ(もしかしたら風呂なし)なので、単身高齢者が殆どじゃんじゃないでしょうかね。いくら家賃が数万の安さだとしても、やっとこさで暮らしているんだろうな、という暮らしぶりの様ですし。記事にある大規模都営団地みたいに限界集落までいかなくても、かなり黄信号点滅って感じですよ。
それでも、古くから住んでいる高齢者はご近所の土地・家持ちの方々と多少でも面識があるんですが、問題は私達の様な土地への新参者は全く地域との繋がりはないし、お互いに誰が住んでいるのかも判らない。また土地・家持ちの方々と言っても2代目、3代目さん達が出て行った後に残った高齢の親御さん住まいも多そうなので、30代40代の家族持ちも余り見かけない、当然子供も少ない・・・と、今後は益々土地に根付いた共同体みたいな繋がりは無くなって行くんだろうな、とよそ者ながら思うことはあるんですよ。私自身も地域に属しているという実感が本当に無いですから。
幸いなことに、私のアパートの大家さんは昔からこの土地に家族と住んでいて、面倒見が良くお付き合いして下さっているんですけれど、最近はそういうお付き合いを面倒臭がる人もいますしね。インフラや医療が整っていたとしても、気持ち的も物理的にも土地や近所とは何一つ接点が無いまま暮らしている人は都会には多いんでしょうね。それが気楽で良いと言う人も多いでしょうし、地方から出てきた人は東京で田舎みたいに濃厚な付き合いはしたくないって人もいるでしょうし。仮の住まいで流動的なら仕方ないのかもしれないですけれど、ある程度長く住もうとおもったら、もっと地域と積極的に関れる場があってもいいかな、とは10年近く住んでこの年になると何となく思います。

普段は時には鬱陶しくて面倒だけれども、何かあったら誰かが手を差し伸べてくれるだろうという相互の繋がりが感じられるコミュニティが最高でしょうけれど、それもコミュニティの年齢層や世代が偏ってしまったら不自然で限界がありますね。インフラや医療の整備などの行政に依るところあるのでしょうけれど、生活する側も地域に対する帰属意識とか、家族以外の知らない人達とのコミュニケーションとかで解決出来る部分も多少はあるんじゃないかなぁ、と実際そんな界隈の集合住宅に住んでいると思うこともあるんです。インドネシアのゴトンヨロン(相互扶助)までは無理としても・・・。
by sohla
| 2008-09-06 18:24
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