2007年 07月 19日
王宮広場の2本の木
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というのも、インドネシアでもう約10年ほどでしょうか仕事をしている日本人男性と手紙のやり取りをしているんですが、一昨年彼がこんな葉書を送って来たんです。
お元気ですか。約3週間後に届いた次ぎの葉書には、「アドバイスありがとうございました」ということが書かれていたので、何か私は偉そうに書いて送ったんでしょうね、全く覚えていないのですが。
ジョグジャに来ました。ここ最近スランプで、どうにも考えがまとまらない日が続いています。最後には人生の目的なんか考え出してしまう始末です。で、ジョグジャに来ました。ご存知かもしれませんが、ここの王宮南広場に大木が2本立っています。広場の端から目隠しして、この2本の間を通り抜けることが出来れば願いが適うとか。やってみました。広場の端でハンカチで目を覆い、暗闇の中を歩き出す、立ち止まる、手探りする、迷う、また1歩踏み出す、という具合です。人の一生を思いました。結果は成功。子連れのおばちゃんが「出来た!」と声をかけてくれました。さて、どうしましょう。
夕方から夜になると、この広場には人が繰り出して、屋台あり出店ありの賑やかな様子になって、目隠しをして歩いてみませんか~!みたいに目隠しを貸しを商売にしているおじさんとかもいるんですよね。面白半分にやってみる人も結構居るんじゃないでしょうか。と言うか、普通は運試しみたいにやってみるものかな~と思うんですけれど、友人の彼は多分面白半分というよりは、何か思うところがあって歩いてみたんだと思うんです。
それから後になって、彼が現地で転職したことを知らせて来ました。日本採用は難関の仕事だと思うのですが、恐らく当時の彼の状況であれば現地採用だったのではないでしょうか。いろいろ考えることはあっても、転職前に長らく勤めていたのは日本採用の現地駐在。そんなあれこれもあったのかもしれませんね。
で、その後また連絡があって、現地のインドネシア人女性と結婚することになった、と。
なるほど。
私の勝手な想像ですけれど、彼がこの王宮広場で目隠しをして歩いた時は、まさに人生の岐路というか、大きな決断をしなければならなかった時期だったこともあるんでしょう。そんなことを思うと、1人の日本人男性が2本の大木の真ん中を目指してゆっくりと歩いて行く様子が目に浮かんでしまって、そんな想像上の光景の中に、傍で「右右!」とか「もうちょっと左!」とか応援する私がいたりして。私だったら・・・何か背中を押してもらいたい、答えを出したい気持ちで歩いたのではないかと・・・。勿論、これで自分の考えに答えが出る訳ではないですが。
Budi:「目隠しして歩いてみたら?どうしてやらないの?」
私:「ううん、いいの。だって、願いが適わなかったら怖いじゃない?」
そんな事を言って遂に挑戦しませんでした。小心者ですね。
by sohla
| 2007-07-19 16:03
| それもバリ、これもバリ
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