2008年 04月 15日
五輪と選手の政治的な抗議
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AFP BBNewsで、40年前の1968年・メキシコ五輪で五輪史上最も有名な政治パフォーマンスを行った米国黒人選手が、五輪での政治的活動について語った英紙タイムズのインタビューが紹介されていました。元の記事はこちら、Olympics: Tommie Smith and John Carlos warn of the price of protest - Owen Slot from The Times April 12, 2008
私はメキシコ五輪と北京五輪の状況の類似点と言うのは判らないんですけれど、確かなのはIOCだけは40年経っても変っていないのかも知れないですね。政治パフォーマンスで厳罰なら、政治的ではなく中国の様な国での五輪開催を認めたIOC自体を批判するパフォーマンスならどんな罰を与えるんでしょう。
ボイコットする選手やメッセージを明確に発信する選手が出れば、個人的には「中国の身から出た錆、ザマーミロ」と思いますけれど、だからと言って選手生命を賭けてする必要はないと思ってます(信条として意思表示せずにいられず、尚且つ暴力・妨害行為でなければそれはそれで敬意を表しますが)。チベット問題では中国に問題ありと、中国とその少ない特殊なお友達国以外はチベットよりの国が多いと思うので、メキシコ五輪の2人のアスリートの様に、メダル剥奪、除名、即刻追放なんて対応をすれば逆にさらなる反発を招くでしょうし、自国へ戻って吊し上げられ干され、命の危険を感じる目に遭うこともないとは思うけれど、中国がIOCに厳罰を与えるよう恫喝、IOCがそれに従うということは十分有り得る話ですし。
Wikipediaによると、2人の政治パフォーマンスについて当時のIOC広報官は、彼らの示威行為が「オリンピック精神の基本原理に対する計画的で暴力的な違反」であったと述べた、とありますけれど、じゃぁオリンピック精神の基本原理に対する暴力的な違反を続けている国が開催国として認められたのはおかしいですね。中国を多少なりとも知っている人であれば、スミス氏の言うようにどーせ金銭がらみでしょ、と思う人は多いと思いますけれど。
今回の開催国選択の失敗を教訓に、自力で五輪を開催する力のない国・地域に、別の国がスポンサー兼オーガナイザーとして開催を全て援助するとか、思い切って開催国選択の条件を変えたらどうでしょうかね、現実的じゃないかも知れませんが。俺が俺がと自国で五輪を開催出来たら一人前に近代国家の仲間入りなんて言うのはもう止めて、どれだけ力のない国・地域の為に利益や利権抜きで尽せるかを基準にするとか。その方がよっぽど五輪の精神なんじゃないかって思うんですけれど。
私は東京にオリンピックを再び誘致することには賛成ですけれど、もし日本がアフリカでも中東でも、どこか力も財力もない国や地域を援助して開催させるっていう事になって、その国の整備や発展するきっかけになって、その国の人々が自信を持つことが出来たとしたら、それもまた日本でホストを務めるのと同じくらい光栄だと思うんです。
「五輪での抗議、代償は大きい」 メキシコ五輪の米黒人代表が警告 - AFP BBNews
2008年04月14日 17:10 発信地:ロンドン/英国
【4月14日 AFP】チベット(Tibet)問題や人権問題をめぐって北京五輪の政治問題化が色濃くなるなか、1968年のメキシコ五輪で公民権運動を支持する示威行動「ブラックパワー・サリュート(Black Power salute)」を行った米国の黒人元五輪代表選手が、五輪での政治的活動の代償は大きいと述べ、現役選手らに向けて警鐘を鳴らした。英紙タイムズ(Times)が13日、インタビューを掲載した。
■黒人差別に抗議して追放、五輪後は職に就けず
トミー・スミス(Tommie Smith)氏とジョン・カルロス(John Carlos)氏は、メキシコ五輪の200メートル走でそれぞれ優勝および3位となったが、表彰式で黒い手袋をはめた拳を掲げ、黒人差別に抗議するパフォーマンスを行ったため、国際五輪委員会(International Olympic Committee、IOC)の処分を受け、米ナショナルチームから除名・追放された。
2人の行為は五輪史上で最も有名な政治的パフォーマンスとして記憶されることとなる一方、「一夜にして悪者扱いされ、帰国後は職に就くことができなかった」(スミス氏)という。
■北京ではさらに厳しい処分の可能性も
カルロス氏は、40年が経過しても五輪における状況の変化はほとんど見られないと指摘。北京五輪で政治的な抗議を示すことを考えている選手らに対し、「状況を念入りに調べたうえで、確固たる意志と精神をもってメディアに訴えるなど、われわれとは異なる手段を選ぶ」よう勧めた。
一方、五輪そのもののボイコットは支持しないが、仏大統領や独首相が開会式の欠席を表明したことについては賛同すると述べた。
スミス氏は、メキシコ五輪と北京五輪の状況には類似点が多いとして、抗議行為を行った選手をIOCが厳罰に処す可能性を示唆。「抗議活動を止めろとは言わないが、伴う代償が大きいことは指摘しておきたい。IOCが科す制裁は、おそらくメキシコ五輪当時より厳しいものとなるだろう」と述べた。
■史上最も政治色濃い五輪、IOCの責任は
スミス氏はまた、北京五輪を「五輪史上で最も政治色の強い五輪」と表現。「なぜIOCは、中国のような一党体制国家での五輪開催を認めたのか。金銭がらみではないとの言い逃れはできない。IOCには(安全な五輪遂行の)責任があり、開催地決定に際しても熟考が求められているはずだ」と語った。(c)AFP
私はメキシコ五輪と北京五輪の状況の類似点と言うのは判らないんですけれど、確かなのはIOCだけは40年経っても変っていないのかも知れないですね。政治パフォーマンスで厳罰なら、政治的ではなく中国の様な国での五輪開催を認めたIOC自体を批判するパフォーマンスならどんな罰を与えるんでしょう。
ボイコットする選手やメッセージを明確に発信する選手が出れば、個人的には「中国の身から出た錆、ザマーミロ」と思いますけれど、だからと言って選手生命を賭けてする必要はないと思ってます(信条として意思表示せずにいられず、尚且つ暴力・妨害行為でなければそれはそれで敬意を表しますが)。チベット問題では中国に問題ありと、中国とその少ない特殊なお友達国以外はチベットよりの国が多いと思うので、メキシコ五輪の2人のアスリートの様に、メダル剥奪、除名、即刻追放なんて対応をすれば逆にさらなる反発を招くでしょうし、自国へ戻って吊し上げられ干され、命の危険を感じる目に遭うこともないとは思うけれど、中国がIOCに厳罰を与えるよう恫喝、IOCがそれに従うということは十分有り得る話ですし。
Wikipediaによると、2人の政治パフォーマンスについて当時のIOC広報官は、彼らの示威行為が「オリンピック精神の基本原理に対する計画的で暴力的な違反」であったと述べた、とありますけれど、じゃぁオリンピック精神の基本原理に対する暴力的な違反を続けている国が開催国として認められたのはおかしいですね。中国を多少なりとも知っている人であれば、スミス氏の言うようにどーせ金銭がらみでしょ、と思う人は多いと思いますけれど。
今回の開催国選択の失敗を教訓に、自力で五輪を開催する力のない国・地域に、別の国がスポンサー兼オーガナイザーとして開催を全て援助するとか、思い切って開催国選択の条件を変えたらどうでしょうかね、現実的じゃないかも知れませんが。俺が俺がと自国で五輪を開催出来たら一人前に近代国家の仲間入りなんて言うのはもう止めて、どれだけ力のない国・地域の為に利益や利権抜きで尽せるかを基準にするとか。その方がよっぽど五輪の精神なんじゃないかって思うんですけれど。
私は東京にオリンピックを再び誘致することには賛成ですけれど、もし日本がアフリカでも中東でも、どこか力も財力もない国や地域を援助して開催させるっていう事になって、その国の整備や発展するきっかけになって、その国の人々が自信を持つことが出来たとしたら、それもまた日本でホストを務めるのと同じくらい光栄だと思うんです。
「五輪での抗議、代償は大きい」 メキシコ五輪の米黒人代表が警告 - AFP BBNews
2008年04月14日 17:10 発信地:ロンドン/英国
【4月14日 AFP】チベット(Tibet)問題や人権問題をめぐって北京五輪の政治問題化が色濃くなるなか、1968年のメキシコ五輪で公民権運動を支持する示威行動「ブラックパワー・サリュート(Black Power salute)」を行った米国の黒人元五輪代表選手が、五輪での政治的活動の代償は大きいと述べ、現役選手らに向けて警鐘を鳴らした。英紙タイムズ(Times)が13日、インタビューを掲載した。
■黒人差別に抗議して追放、五輪後は職に就けず
トミー・スミス(Tommie Smith)氏とジョン・カルロス(John Carlos)氏は、メキシコ五輪の200メートル走でそれぞれ優勝および3位となったが、表彰式で黒い手袋をはめた拳を掲げ、黒人差別に抗議するパフォーマンスを行ったため、国際五輪委員会(International Olympic Committee、IOC)の処分を受け、米ナショナルチームから除名・追放された。
2人の行為は五輪史上で最も有名な政治的パフォーマンスとして記憶されることとなる一方、「一夜にして悪者扱いされ、帰国後は職に就くことができなかった」(スミス氏)という。
■北京ではさらに厳しい処分の可能性も
カルロス氏は、40年が経過しても五輪における状況の変化はほとんど見られないと指摘。北京五輪で政治的な抗議を示すことを考えている選手らに対し、「状況を念入りに調べたうえで、確固たる意志と精神をもってメディアに訴えるなど、われわれとは異なる手段を選ぶ」よう勧めた。
一方、五輪そのもののボイコットは支持しないが、仏大統領や独首相が開会式の欠席を表明したことについては賛同すると述べた。
スミス氏は、メキシコ五輪と北京五輪の状況には類似点が多いとして、抗議行為を行った選手をIOCが厳罰に処す可能性を示唆。「抗議活動を止めろとは言わないが、伴う代償が大きいことは指摘しておきたい。IOCが科す制裁は、おそらくメキシコ五輪当時より厳しいものとなるだろう」と述べた。
■史上最も政治色濃い五輪、IOCの責任は
スミス氏はまた、北京五輪を「五輪史上で最も政治色の強い五輪」と表現。「なぜIOCは、中国のような一党体制国家での五輪開催を認めたのか。金銭がらみではないとの言い逃れはできない。IOCには(安全な五輪遂行の)責任があり、開催地決定に際しても熟考が求められているはずだ」と語った。(c)AFP
by sohla
| 2008-04-15 06:38
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