2007年 07月 01日
駒込のお富士さん - 駒込富士神社の富士塚
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富士山では今日の山開きを前に、登山客が御来光を拝もうと山頂を目指したそうですね。
私はココで書いたように、昨日は駒込の富士神社の山開きへガーナ人のJoeさんと行って来ました。富士塚を神体とした神社で、拝殿は富士山に見立てた山の上。元々は本郷にあったのだけれど、その土地が加賀金沢藩上屋敷の敷地(現在の東京大学本郷キャンパス)になった為この地に移転したとのこと。
ここの富士塚は築山ではなくて古墳ではないかとも言われているらしいです。
そう言えば、この富士神社あたりには「一富士、二鷹、三茄子」の3つ全部があるらしい(笑)。「一富士」はもちろんこの富士神社の富士塚。「ニ鷹」は、駒込は将軍家の鷹場で、富士神社の近くの天祖神社裏には鷹匠屋敷や鷹部屋が置かれていたそう。現在の都立駒込病院の敷地は全て御鷹匠屋敷跡。「三茄子」は、江戸時代の巣鴨・駒込界隈は園芸栽培とともに茄子が特産で「駒込茄子」はブランド品だった(笑)。何だか江戸時代のこの辺りを歩いてみたいですよね。
さてさて、神社の入り口から屋台が出てて子供達はお祭り騒ぎです(笑)。
外で遊ぶ子供の声が聞こえなくなってしまった世の中でも、やっぱりお祭りは子供や大人を外へ連れ出して惹き付ける魔法があるんですね。浴衣を着ている小さい女の子が多くて、何だか可愛いくて楽しそう楽しそう。神社の境内だけは笑顔が溢れる夢と遊びの空間みたいで不思議(笑)。
Joeもガーナではお祭りが大好きだったそうです。
「もぅね、お祭りに行って帰るのが嫌で嫌で仕方なかったの。お祭りが終わって、じゃぁ帰りましょうって皆が帰るなら別にいいの、でもお祭りはまだ続いているのに、お母さんに「帰るわよッ」と言われて自分だけ帰るのが嫌だったの」って(笑)。
わかるなぁ、その気持ち。
鳥居から屋台が立ち並ぶ参道を直進すると正面に急な石段が。
Joe:「これが富士山かな?急で危ないねぇ、子供やおばあさん大変よ~」
私:「う~ん、これが富士山なのかなぁ・・・。想像していた富士塚とちょっと違う感じ。でも本当に急よねぇ」
真ん中に手すりがついているんですけど昔の古い階段なんでしょうかね、踏み面の奥行きが微妙に狭かったり広かったり、蹴上げも高いので、昔の女性がお着物で上るのはちょっと大変だったんじゃないかな~なんて思います。
急なので前のめりになって登る感じです。なので途中で止まって後ろの景色を見てみよう、なんて思って上体を起こしたら多分後ろに転げ落ちそう(笑)。子供はこういうの好きですよね、きっと。
登り切った正面には拝殿、そして山開きの6/30と7/1の2日間しか売られない麦藁で蛇の形に作った魔除けの麦藁蛇や麦落雁を売るテントがあります。
お賽銭箱のある拝殿を前にすると拝まずにはいられないので、何はともあれお祈りお祈り。
で、次に思ったのが「ここが富士塚の頂上か?」と。私はまた、護国寺の音羽富士の様にもっと「一合目」「二合目」と書かれた合目石があったり、登山道の様な道があって祠のような富士浅間神社奥宮に辿り着くのかと想像してたんですけれど、ここは規模も大きく富士塚自体がご神体なので、ここが頂上ということなんですね。別に登り口があるんじゃないか、他に小山があるんじゃないかと、暫くウロウロしちゃいました(笑)。
右手の方へ行くと祠(多分富士塚にあるべき祠なんでしょうね)があって、なだらかな階段から坂を下る道になっていて、もうそこは輪投げや射的の屋台が(笑)。おぉ、これだけか!という感じもしましたけれど、まぁいいでしょう。と再び屋台の広場へ。 もう1度石段の登り口あたりを見たいと戻ってみます。直ぐ側まで屋台が立っているので、富士塚全体を引きで見ることが出来ないのが残念なんですけれど、石段の周りには講中の寄進した富士講碑がずらりと並んでます。このアングルで見ると山っぽいですね。
で、階段から右手、頂上から右手の坂を下ってきたところ辺りに、どうやら別の登り口らしきものがひっそりとありました。ロープが張られて登れないようになっているんですけれど、奥の中腹あたりには胎内窟か何かでしょうか黒い柵で閉ざされた穴があります。あ~、ここを登ったら富士山の擬似参拝気分になりますね。面白い面白い。
これは富士塚探索だけをするなら、屋台が出ていない普通の日にもう1度来てみたら、離れたところから引きで見たり、じっくり何があるかを見れていいかもしれないですね。
そして、これが山開きの時だけ売られる「麦落雁」。
おじさんが「試食が出来るから食べてみて」と言うのに甘えて1つ頂き。で、おじさんの前でポキッと折って欠片をJoeにもあげたら、「あら、富士山を折っちゃうのぉ~、凄い力だねぇ。折らないで山1つづつ食べなよ~」と笑われちゃいました。
ふむ、仮にも富士山をご神体とする神社で、山開きのお祭りの時に、名物の富士山の形をした落雁を、何の迷いも無く「ポキッ」と折った私。やっぱりバチ当りだったですよね、考えが浅いなぁ、と反省。ここを護っている皆さん御免なさい。考えてみたら、石段を登って鳥居をくぐった中の神聖な場所ですものね、下界の屋台とはわけが違いますよね。
余談なんですが、バリ島のお寺も敷地は主殿からいくつかのエリアを経て(不浄な)俗界へと繋がっていて、庶民が娯楽を楽しむ屋台があったり賭け事が出来るエリアは一番入り口、その次は神様に捧げる踊りを奉納する場所。次は・・・などと、段々と主殿に向かって神聖になっていって、歩いているとダラダラと奥へ入って行く様な感じでも、実はそれぞれのエリアには何をするところ、何をして良いところ、してはいけないところ、とちゃんと意味があるんですよね。一番神聖な場所は基本的には地元の村人しか入れないというお寺もあると思います。それでも、体を清め、お寺に詣でる伝統的な衣装を身に着けて、地元の人の連れということならば入れない訳ではないのですけれども。
1度、小さな村の何百年に1度のお祭りに連れて行ってもらった時、その寺で祈りを捧げる一番神聖な奥の場所まで来て、「入ってみる?」と言われたんですけれど、私の様なよそ者、いわば観光客が入るべき場所ではない様な気がして、お断りをして外で待っていたことがあります。今思えば、この「入ってみる?」はバリ人特有の社交辞令というか、「基本的には入れない」というお断り、でも一応お伺い?の言葉だったのかもしれないですね。
神様を祀ってある場所はどこも同じよね・・・と、富士山型の落雁を折った私に慌てた(ように見えた)おじさん達を見て、自分が居る場所がどういうところなのかハッとしたのは遅すぎですよね。
私はココで書いたように、昨日は駒込の富士神社の山開きへガーナ人のJoeさんと行って来ました。富士塚を神体とした神社で、拝殿は富士山に見立てた山の上。元々は本郷にあったのだけれど、その土地が加賀金沢藩上屋敷の敷地(現在の東京大学本郷キャンパス)になった為この地に移転したとのこと。
ここの富士塚は築山ではなくて古墳ではないかとも言われているらしいです。
そう言えば、この富士神社あたりには「一富士、二鷹、三茄子」の3つ全部があるらしい(笑)。「一富士」はもちろんこの富士神社の富士塚。「ニ鷹」は、駒込は将軍家の鷹場で、富士神社の近くの天祖神社裏には鷹匠屋敷や鷹部屋が置かれていたそう。現在の都立駒込病院の敷地は全て御鷹匠屋敷跡。「三茄子」は、江戸時代の巣鴨・駒込界隈は園芸栽培とともに茄子が特産で「駒込茄子」はブランド品だった(笑)。何だか江戸時代のこの辺りを歩いてみたいですよね。
さてさて、神社の入り口から屋台が出てて子供達はお祭り騒ぎです(笑)。
外で遊ぶ子供の声が聞こえなくなってしまった世の中でも、やっぱりお祭りは子供や大人を外へ連れ出して惹き付ける魔法があるんですね。浴衣を着ている小さい女の子が多くて、何だか可愛いくて楽しそう楽しそう。神社の境内だけは笑顔が溢れる夢と遊びの空間みたいで不思議(笑)。
Joeもガーナではお祭りが大好きだったそうです。
「もぅね、お祭りに行って帰るのが嫌で嫌で仕方なかったの。お祭りが終わって、じゃぁ帰りましょうって皆が帰るなら別にいいの、でもお祭りはまだ続いているのに、お母さんに「帰るわよッ」と言われて自分だけ帰るのが嫌だったの」って(笑)。
わかるなぁ、その気持ち。
鳥居から屋台が立ち並ぶ参道を直進すると正面に急な石段が。
Joe:「これが富士山かな?急で危ないねぇ、子供やおばあさん大変よ~」
私:「う~ん、これが富士山なのかなぁ・・・。想像していた富士塚とちょっと違う感じ。でも本当に急よねぇ」
真ん中に手すりがついているんですけど昔の古い階段なんでしょうかね、踏み面の奥行きが微妙に狭かったり広かったり、蹴上げも高いので、昔の女性がお着物で上るのはちょっと大変だったんじゃないかな~なんて思います。
急なので前のめりになって登る感じです。なので途中で止まって後ろの景色を見てみよう、なんて思って上体を起こしたら多分後ろに転げ落ちそう(笑)。子供はこういうの好きですよね、きっと。
登り切った正面には拝殿、そして山開きの6/30と7/1の2日間しか売られない麦藁で蛇の形に作った魔除けの麦藁蛇や麦落雁を売るテントがあります。
で、次に思ったのが「ここが富士塚の頂上か?」と。私はまた、護国寺の音羽富士の様にもっと「一合目」「二合目」と書かれた合目石があったり、登山道の様な道があって祠のような富士浅間神社奥宮に辿り着くのかと想像してたんですけれど、ここは規模も大きく富士塚自体がご神体なので、ここが頂上ということなんですね。別に登り口があるんじゃないか、他に小山があるんじゃないかと、暫くウロウロしちゃいました(笑)。
右手の方へ行くと祠(多分富士塚にあるべき祠なんでしょうね)があって、なだらかな階段から坂を下る道になっていて、もうそこは輪投げや射的の屋台が(笑)。おぉ、これだけか!という感じもしましたけれど、まぁいいでしょう。と再び屋台の広場へ。
これは富士塚探索だけをするなら、屋台が出ていない普通の日にもう1度来てみたら、離れたところから引きで見たり、じっくり何があるかを見れていいかもしれないですね。
そして、これが山開きの時だけ売られる「麦落雁」。
おじさんが「試食が出来るから食べてみて」と言うのに甘えて1つ頂き。で、おじさんの前でポキッと折って欠片をJoeにもあげたら、「あら、富士山を折っちゃうのぉ~、凄い力だねぇ。折らないで山1つづつ食べなよ~」と笑われちゃいました。
ふむ、仮にも富士山をご神体とする神社で、山開きのお祭りの時に、名物の富士山の形をした落雁を、何の迷いも無く「ポキッ」と折った私。やっぱりバチ当りだったですよね、考えが浅いなぁ、と反省。ここを護っている皆さん御免なさい。考えてみたら、石段を登って鳥居をくぐった中の神聖な場所ですものね、下界の屋台とはわけが違いますよね。
余談なんですが、バリ島のお寺も敷地は主殿からいくつかのエリアを経て(不浄な)俗界へと繋がっていて、庶民が娯楽を楽しむ屋台があったり賭け事が出来るエリアは一番入り口、その次は神様に捧げる踊りを奉納する場所。次は・・・などと、段々と主殿に向かって神聖になっていって、歩いているとダラダラと奥へ入って行く様な感じでも、実はそれぞれのエリアには何をするところ、何をして良いところ、してはいけないところ、とちゃんと意味があるんですよね。一番神聖な場所は基本的には地元の村人しか入れないというお寺もあると思います。それでも、体を清め、お寺に詣でる伝統的な衣装を身に着けて、地元の人の連れということならば入れない訳ではないのですけれども。
1度、小さな村の何百年に1度のお祭りに連れて行ってもらった時、その寺で祈りを捧げる一番神聖な奥の場所まで来て、「入ってみる?」と言われたんですけれど、私の様なよそ者、いわば観光客が入るべき場所ではない様な気がして、お断りをして外で待っていたことがあります。今思えば、この「入ってみる?」はバリ人特有の社交辞令というか、「基本的には入れない」というお断り、でも一応お伺い?の言葉だったのかもしれないですね。
神様を祀ってある場所はどこも同じよね・・・と、富士山型の落雁を折った私に慌てた(ように見えた)おじさん達を見て、自分が居る場所がどういうところなのかハッとしたのは遅すぎですよね。
by sohla
| 2007-07-01 12:38
| 東京ココやソコ
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