2006年 09月 03日
「太陽 Sun」を見た
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スパイク・リー監督のドキュメンタリー映画「When The Levees Broke」の記事を見て、前回ハリケーン「カトリーナ」のことを書いたのだけれど、今回も映画つながり。
前にイッセー尾形が昭和天皇を演じた「太陽」 Solnze 見たい!と書いたのですが、8月26日に観に行って来ました~。丁度その日から新宿ジョイシネマでも公開され始めたんですねぇ。知らないで既に銀座シネパトスの9:50~のぴあシートを取ってしまったので、朝一で仕事にちょっと手をつけてその合間に銀座まで行って来ました。かなり時間が経ってしまったのだけれど、今回はちょっとそのことを。
映画館で映画を観たのは去年の夏だったか、お台場のシネマ・メディアージュでウィル・スミス主演の「HITCH」以来(笑)。9:50~の上映は客席数130のシネパトス2。スクリーン小さ~!(笑)。噂通り満席で、朝一の上映だったからなのか50歳代くらいの方々が多かった感じです。もっと若い方達が居るのかなと思ったんですけれど、ちょっと意外でした。
映画はというと・・・まず主役が昭和天皇ですし、全て日本語なのでこれがロシア監督の作品と言う事を忘れてしまいます。淡々とした映像は何とも陰翳があって(途中ちょっと眠たくなったことも、笑)何とも言えず控え目な美しさだな~と。ロシア映画、そして時代が時代だけにズドーンと暗いのかと思っていたんですが、暗いには暗いけれどドロドロとした暗さではなくて、繊細な陰翳って言うんでしょうか・・・。
開始直後から「孤独」という言葉が私の頭から離れなかったです。ソクーロフ監督が「政治・歴史の問題を蒸し返すつもりはない。戦争の犠牲者をこれ以上増やさないため、人間宣言をするに至った昭和天皇の内面的葛藤を描いた」と言っている様に、一人の人間の苦悩と孤独を監督なりの目で描いたもの。正にそれ以上でも以下でもないと思います。
イッセー尾形の演技は、私が覚えている昭和天皇の姿、話し振り、雰囲気とピッタリで、この人意外に誰が昭和天皇を演じることができるんだろうと思ってしまうほど。それでいて単なる物真似ではなくて演技になっているのだから素晴らしいなと思うのと同時に、大変だっただろうな~とも。
大きな魚が爆弾を落としていく天皇が見た空襲の夢、御前会議、庭を歩く鶴、研究室での生物学研究の時間、占領軍総司令部からの贈り物「HERSHEY'S」を巡るやり取り、日系と思われる米軍副官・・・今思うと強烈ではないけれど印象に残る場面ばかりなんですよね。既に知られている、昭和天皇にまつわる象徴的な場面以外の隙間の日常や細かいやり取りで一人の人間を心情を炙り出しているというか。
「私はついに成し遂げたよ」と疎開先から帰った皇后とやり取りをする天皇。人間宣言を録音した臣下が自決してしまったことを佐野史郎演ずる侍従長から知らされ、「でも、止めたんだろうね」、侍従長「いいえ」と言われて立ち尽くす天皇の場面で、不覚にも(笑)何故か涙が出てしまったんですよね。淡々と進んで来た映画なので、見ている時はそれほど何か心に感情的なものを受けた感覚は自分では無かったので不思議な感覚だったんです。そしてまさかそこで映画が終わるとは思わなかった・・・涙が出てしまった私はちょっと困っちゃいました。想像していたよりもずっとサラッと、美しい映画でした。
映画が終了して出てくると、次の回を見ようと並んだお客さんが5、60人くらい並んでいました。題材がナイーブなので日本での公開は難しいと言われていたのは、配給会社が勝手に見る側の心情を言い訳にした(制限した)ものだったんでしょうか。資金をふんだんにつぎ込んだ超大作でもない地味な映画にも関わらず、映画館に映画マニアでもない普通のお客さんの足を運ばせる話題と力があった映画だったと思うのですが、大手の配給会社が配給しなかった、出来なかったのは何だかなぁという感じがします。
前にイッセー尾形が昭和天皇を演じた「太陽」 Solnze 見たい!と書いたのですが、8月26日に観に行って来ました~。丁度その日から新宿ジョイシネマでも公開され始めたんですねぇ。知らないで既に銀座シネパトスの9:50~のぴあシートを取ってしまったので、朝一で仕事にちょっと手をつけてその合間に銀座まで行って来ました。かなり時間が経ってしまったのだけれど、今回はちょっとそのことを。
映画館で映画を観たのは去年の夏だったか、お台場のシネマ・メディアージュでウィル・スミス主演の「HITCH」以来(笑)。9:50~の上映は客席数130のシネパトス2。スクリーン小さ~!(笑)。噂通り満席で、朝一の上映だったからなのか50歳代くらいの方々が多かった感じです。もっと若い方達が居るのかなと思ったんですけれど、ちょっと意外でした。
映画はというと・・・まず主役が昭和天皇ですし、全て日本語なのでこれがロシア監督の作品と言う事を忘れてしまいます。淡々とした映像は何とも陰翳があって(途中ちょっと眠たくなったことも、笑)何とも言えず控え目な美しさだな~と。ロシア映画、そして時代が時代だけにズドーンと暗いのかと思っていたんですが、暗いには暗いけれどドロドロとした暗さではなくて、繊細な陰翳って言うんでしょうか・・・。
開始直後から「孤独」という言葉が私の頭から離れなかったです。ソクーロフ監督が「政治・歴史の問題を蒸し返すつもりはない。戦争の犠牲者をこれ以上増やさないため、人間宣言をするに至った昭和天皇の内面的葛藤を描いた」と言っている様に、一人の人間の苦悩と孤独を監督なりの目で描いたもの。正にそれ以上でも以下でもないと思います。
イッセー尾形の演技は、私が覚えている昭和天皇の姿、話し振り、雰囲気とピッタリで、この人意外に誰が昭和天皇を演じることができるんだろうと思ってしまうほど。それでいて単なる物真似ではなくて演技になっているのだから素晴らしいなと思うのと同時に、大変だっただろうな~とも。
大きな魚が爆弾を落としていく天皇が見た空襲の夢、御前会議、庭を歩く鶴、研究室での生物学研究の時間、占領軍総司令部からの贈り物「HERSHEY'S」を巡るやり取り、日系と思われる米軍副官・・・今思うと強烈ではないけれど印象に残る場面ばかりなんですよね。既に知られている、昭和天皇にまつわる象徴的な場面以外の隙間の日常や細かいやり取りで一人の人間を心情を炙り出しているというか。
「私はついに成し遂げたよ」と疎開先から帰った皇后とやり取りをする天皇。人間宣言を録音した臣下が自決してしまったことを佐野史郎演ずる侍従長から知らされ、「でも、止めたんだろうね」、侍従長「いいえ」と言われて立ち尽くす天皇の場面で、不覚にも(笑)何故か涙が出てしまったんですよね。淡々と進んで来た映画なので、見ている時はそれほど何か心に感情的なものを受けた感覚は自分では無かったので不思議な感覚だったんです。そしてまさかそこで映画が終わるとは思わなかった・・・涙が出てしまった私はちょっと困っちゃいました。想像していたよりもずっとサラッと、美しい映画でした。
映画が終了して出てくると、次の回を見ようと並んだお客さんが5、60人くらい並んでいました。題材がナイーブなので日本での公開は難しいと言われていたのは、配給会社が勝手に見る側の心情を言い訳にした(制限した)ものだったんでしょうか。資金をふんだんにつぎ込んだ超大作でもない地味な映画にも関わらず、映画館に映画マニアでもない普通のお客さんの足を運ばせる話題と力があった映画だったと思うのですが、大手の配給会社が配給しなかった、出来なかったのは何だかなぁという感じがします。
by sohla
| 2006-09-03 23:35
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