2012年 08月 18日
おもしろびじゅつワンダーランド展@サントリー美術館
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見どころやフロアマップはこんな感じ。
本展覧会では、より多くの方に日本美術に親しんでいただきたいという考えのもとルーヴル - DNPミュージアムラボ(LDML)※を運営する大日本印刷の協力を得て、デジタル技術とアナログ手法を駆使したさまざまな展示方法によって当館所蔵の名品約40件をお楽しみいただきます。本来、屏風や漆工品、陶磁器などは、日本人の暮らしの中で実際に使われていた「生活の中の美」であり、身近な存在でした。本展は、そんな日本の古美術品の魅力を、子どもから大人まで五感で「体験」「体感」「発見」いただける、まさに「日本美術のテーマパーク」です。-HPより今回の展覧会はフラッシュをたかなければ写真撮影がOKで、そのことを忘れてカメラ持参するのをすっかり忘れ、仕方なく殆ど壊れてる(笑)携帯カメラで撮ってみたけれど、やっぱり壊れてる(笑)。

まわり(壁面)は草花の模様が描かれた白い布スクリーン、そして天井には国宝「浮線綾螺鈿蒔絵手箱」の蓋の裏側に施されている金蒔絵をプロジェクターで投影。確かに、想像力を膨らませて体感すると手箱の中に入って蓋の裏側を見上げているような感じに。
A lacquerware box decorated with mother-of-pearl and gold. But it's not just the outer surface that glitters. The underside of the lid is just as beautiful. Walk inside the box and look up. It's like being inside a planetarium of patterns.
へー、なるほどー。
2:ススキ林のアプローチ
写真が恐ろしくブレていたのでナシということで(笑)。ススキなどの秋草が生い茂る広大な武蔵野の地に富士山と満月が描かれた武蔵野図屏風。その屏風へのアプローチはススキの小道。
ススキのボリュームと背丈が低いのと、いかにも模造のススキがちょっと残念な気もするけれど、私はこういう舞台の大道具みたいな雰囲気作りは好きだなぁ。アプローチにちょっと起伏があってもいいかも(大きなお世話、笑)とか、昔の武蔵野の風景はどんなだったんだろう?とか、やっぱり虫の音は聞こえていたんだろうなーとか。
ついでに言うと、
これ、企画するの楽しかっただろーなーとか(笑)。

The appearance of blue glassware changes depending on the way the light is shone one it. Step inside the dome. Watch as you're bathed from head to foot in blue light and sense with your entire body the beauty of the clear, refreshing glassware.
薩摩切子など、本当にこの和ガラスの藍色は美しく、長い展示ケースの下からも照明をあてているので幻想的でうっとり。これで素麺を食べたらどんなに・・・、これに上質なバニラアイスを盛ったら・・・なんてこともチラッと頭に浮かんだり(笑)。
4:京都街中タッチパネル

「洛中洛外図屏風」(六曲一双 江戸時代 17世紀後半)は、指で触れたところが拡大され場所や建物の名称も表示されるタッチパネルになってるんです。うはー、面白い!
もちろん実物の屏風も展示されているけれど、ガラスで仕切られているので細部を見ようと我を忘れるとガラスにオデコや鼻をごっつん。これ、度々美術館で起こる現象(笑)なのだけれど、このタッチパネルなら指で触れたところがボワンと拡大され、街中で暮らす人たちの表情など細部まで見れて、屏風の中の世界に入り込んだような気分に。
無駄に触れたくなってしまうのは、始終iPadに触れる気持ちと同じようなもんではないかと(私はiPadもiPhoneも持ってないけれど、笑)。

6:大人も真剣 全身で影絵遊び
ここは体を使って遊ぶコーナーみたいな感じ。
舞踏図(江戸時代 17世紀)に描かれた女性の等身大パネルは顔の部分がくり抜いてあって、そこに自分の顔を出して記念撮影出来るという、そう、あの観光地によくあるアレ。
そのお隣は(写真)人が笠を被ってポーズをつけて障子越しに見ると、障子に映った陰は松や茶釜に見えるというお遊びを実際にやってみることが出来るんですねー。
実際に挑戦しているのを見ていたら、外から影絵を見ている人やアシスタントのお姉さんが、障子の向こうのポーズを取ってる人に、「もうちょっと首を縮めてー!」とか「んーちょっと違うかもー」とか言っていて面白いんです。これ、温泉旅館でのかくし芸にいいかも(って、そんな機会はないけれど、笑)。


The word of mitate "seeing with your own eyes", where ideas are everything.
本阿弥光悦の赤楽茶碗「熟柿」(一口 江戸時代 17世紀)の巨大なレプリカが逆さまに。
多分、裏から底を見るとまさに"柿"に見えるってことなのかな。前へまわって見ると茶碗のドームになった内部には抹茶色のカーペットにクッションがゴロゴロと置いてあって、靴を脱いで上がれば床に座っても良し、寝転がってもよしとくつろげるように。抹茶色のカーペットは茶碗をひっくり返してこぼれ出た抹茶って感じかな?これもススキに続いてアナログな大道具風。
もちろん、ものは試し。私も一緒に行った姉も靴を脱いでクッションに埋もれてみましたよ。でも、手前に写ってる本物の茶碗は、それだけでも充分「熟柿」に見えますよねー。
8:マルの中のクール・デザイン「鍋島」
最後の遊びはデジタルで。机にはめ込まれたモニターで、お皿を選び、モチーフを選んでお皿に配置し、自分のサインを入れれば自分だけの「鍋島」が作れるというもの。うはー、楽しー!

何だか楕円テーブルを囲んで会議をしているみたいだけれど、みなさんmy鍋島を作成中。
大人ばっかり(笑)。
選べるモチーフは何種類もあって組み合わせ自由、そしてこれまたiPod風に指で拡大したり回転させたり出来るので、作れるmy鍋島は無限。出来上がると勝手に画面が終了して、作った画像は奥のスクリーン(showcase)にズラッと投影されるんです。最後に自分のサインも入れるので、どれが自分が作った鍋島かわかるんですよー。


ふぅ、楽しかったー。
欲を言えば、結構あっけなく見終わってしまったので、あと2つか3つぐらい遊びや体験があったら良かったのになーとは思ったけれど、、"遊び"に気が行って肝心の元になっているホンマもんの展示品を見忘れてしまいそうになるほど(まるで子ども、笑)でした。
展覧会で、作品が「こう紹介されているから」とか「こう言われているから」という山ほどの情報は最小限にして、ポイントが違っていようと些細なところにだろうと、自分なりに想像力を働かせて"見る目"や"なぜ、どうして?"が、結局のところ"感じる心"を育てるのですよね。
大人になると、どーも前もって色々な情報をインプットしてしまい、その情報を突き破って見る目も想像力を膨らませることも難しくなってしまいがち。だから展覧会の静かな空間で、音声ガイドを聞かず、最低限のキャプションを参考に、自分の目と感覚で(見えないものも含めて)見て感じたいなーと。
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by sohla
| 2012-08-18 10:55
| みる・きく・かんがえる
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