2012年 05月 05日
KATAGAMI Style@三菱一号館美術館
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昨日、5/4は丸の内の三菱一号館美術館で開催されている、KATAGAMI Style - 世界が恋した日本のデザインへ。
三菱一号館美術館は、東京駅の丸の内周辺に貼ってあるポスターを毎日仕事の行き帰りに見ていているし、仕事帰りにも余裕で寄れるほど近いのに、案外と「どうしても見たい!」という感じがしなかったのだけれど、このKATAGAMI展は「見たい!」と思っていたもの。
美術館の建物は、1894年にジョサイア・コンドル設計により建てられた煉瓦造り。当時は三菱合資会社の銀行部などが入っていたが、1968年(昭和43年)に老朽化のため解体、その後40年あまりの時を経て三菱一号館をコンドルの原設計にのっとり復元、美術館として2010年4月6日に開館。
解体されたのはそう遠い昔のことではないんですね。それについてはココに経緯も。この美術館が入る一号館の一角に、「三菱一号館歴史資料室」や、「静嘉堂」「東洋文庫」に収蔵される美術品、書籍をはじめ三菱グループゆかりの逸品をデジタル高精細画像にて保存・公開している「三菱センター デジタル・ギャラリー」になっている小部屋(笑)があって、赤煉瓦建築が建ち並んでいた丸の内が、次々と高層ビルに取って代わった(悲しく愕然とする)変遷などがCG映像で放映されてます。また、美術館内で放映している「KATAGAMI Style」展の資料映像を、この歴史資料室内でも特別に放映中。
屋根裏の構造が見れるように、天井をアクリルにしてある部屋があって、見上げると一応見えることにはなっているのだけれど、下の光やモノが反射して全然良く見えない(笑)。現在、歴史資料室では「ジョサイア・コンドルが愛した日本展」もやっていて、コンドル時代の設計図なども展示されてます。この復元された一号館は、復元とは言ってもピッカピカのレプリカ。確かに古き良き時代の建物の雰囲気を真似て造られてはいるのだろうけれど、正直味があるような建物ではないかなと。というか、余りお金を掛けていなさそうに見えてしまうというか(笑)。明治期の銀行営業室の空間を出来る限り忠実に復元したミュージアムカフェはいい雰囲気なのですけれども。
歴史資料室とデジタル・ギャラリーは、多分美術館とは別に無料で見れるのではないかな。展覧会には興味はないけれどという方は、無料の部分やカフェで雰囲気を是非。ちなみに、昨日はカフェも外の舗道まで伸びる長蛇の列で残念ながら入れませんでしたー。
元々、オフィス棟や住居棟だった建物を復元したのを美術館にしたので、展示室が小部屋なんですね。で、予想以上に入場者が多くて笑っちゃうほど狭い、狭い。
アーツ・アンド・クラフツやアール・ンーヴォーなどに大きく影響を与えた日本の文様やデザイン。世界の美術館や博物館に収蔵されている型紙と、その影響が見られる作品を並べて紹介しているのだけれど、"影響"というよりはそのまんま作品にした"パクリ"に近いのではないかと(笑)。だって、殆どそのまんま絵の一部になっていたり、カーペットや布帛の柄になっていたりしてますから。
いわゆる芸術とは違って、文様は形を変えて世界を伝わり取り入れられていくものだと私は思っているけれど、江戸時代の町人の「粋」、小紋や型染めがこうやって世界の芸術活動に影響を与えているのを見ると(個人的には浮世絵がヨーロッバ芸術に与えた影響より判りやすいのではないかと)、日本人として誇らしいですよねぇ、やっぱり。どんなもんだい!って(笑)。
ちなみに、好きな人は好きな、英国で日本や東洋の装飾品と織物、美術品などを扱う小さな店をオープンしたのが始まりであるリバティ社のプリント。洋裁や手芸関係のお店やwebでもリバティ・プリントとして普通に売られているけれど、何かを作るにはその方が使いやすいんでしょうか、何てことない小花柄が人気みたいですね。私はリバティと言えば、アール・ヌーボー様式の緻密で曲線的、大胆な花柄こそリバティというイメージがあるので、小花柄だとリバティなのか何なのかわからないのですけれども。
狭いながらも400点以上の展示数ということで盛り沢山。いつものように、人だかりやノロノロ進むところはすっ飛ばしたりしていたので、平日のもうちょっと空いてる時にもう一度じっくり見たいですねぇ。
文様に興味があるからテキスタイルの学校へ行ったのか、そういう学校へ行ったから文様やパターンのようなものに惹かれるのか、だから着物洋服問わず生地の色・柄、果ては手拭いまで好きなのかわからないけれど、このKATAGAMI展は好き。やっぱり文様が好き。
ブリック・スクエアの中庭はちょっとしたオアシスみたいで、こう見ると煉瓦建築と木々が茂る中庭が日本じゃないみたいですよね。ショップやレストランに囲まれて本当にこじんまりした中庭だけれど、私は結構好きな空間。
この写真だとそう人は写ってないけれど、本当は結構な人なんですわ。私的には丸の内は勤め先=オフィス街というイメージなのだけれど、正直休みの日にここにこんなに人が来てるとは思わずびっくり。レストランは中もテラス席も人でギッシリ、人気どころのお店には行列・・・観光地でありお出掛けスポットでもあったのですね。
確かに、銀座、有楽町、国際フォーラム、丸の内と歩いて回れる範囲だし、最近は駅のショップだけでも楽しめる東京駅から近いし、街の雰囲気もいいし、考えてみたら近頃の銀座より落ち着いていい雰囲気のような気がするし、そりゃお出掛けスポットですよね。そう言えば、私達は昼前に美術館に入ったんですが、午後になって帰る時は入場制限をしていたみたいで、またビックリ。ふむ、初めての週末丸の内体験でした。
美術館といえば、ミュージアム・ショップを見るのもお楽しみ。そしてついつい散財させられて(して)しまうのですよね~。
学生時代や手拭いやバティック染めの関係で、日本の型紙や文様、世界の文様の本は何冊か持っているのだけれど、見ると欲しくなってしまう、でもそうそうお金は費やせない・・・ジレンマ。でも今回は何と図録(2800円)を買ってしまったのです。ふー、図録って「見たい」というより「持っていたい」という所有欲みたいなもんですよね。でも、せめて2000円以内ぐらいにしてくれるとありがたいんですが。
実は、英語版の図録というのがあってそちらは1500円。手頃でそれでいいじゃん!と思ってサンプルを見たら、「図」はなくて文字解説のみ(涙)。これって、日本語版の図録を買って、その上で英語が必要な方は追加でどうぞってことなんでしょうかね。写真右の魚の表紙のが図録で、その下のは美術館に置いてあった、タブロイド判PR紙『ARTREVUE(アールルヴュ)』。図録の写真は余り大きくないので、図録までは要らないけど・・・という方は、このPR紙で充分かもです。
丸の内から国際フォーラムまでの通りには、綺麗なお花のプランターとイベントの垂れ幕が飾られていて、KATAGAMI展の他に、国際フォーラムで開催されていたクラシック音楽祭「ラ・フォル・ジュルネ」オ・ジャポン2012の垂れ幕も。もしかしたら、そちらのイベントの方が人出が多いので(というか、帰りに国際フォーラムを抜けて来たら、凄んごい人でお祭り騒ぎでした、笑)、その上GWであの界隈が賑わっていたのかもですね~。
三菱一号館美術館は、東京駅の丸の内周辺に貼ってあるポスターを毎日仕事の行き帰りに見ていているし、仕事帰りにも余裕で寄れるほど近いのに、案外と「どうしても見たい!」という感じがしなかったのだけれど、このKATAGAMI展は「見たい!」と思っていたもの。
解体されたのはそう遠い昔のことではないんですね。それについてはココに経緯も。この美術館が入る一号館の一角に、「三菱一号館歴史資料室」や、「静嘉堂」「東洋文庫」に収蔵される美術品、書籍をはじめ三菱グループゆかりの逸品をデジタル高精細画像にて保存・公開している「三菱センター デジタル・ギャラリー」になっている小部屋(笑)があって、赤煉瓦建築が建ち並んでいた丸の内が、次々と高層ビルに取って代わった(悲しく愕然とする)変遷などがCG映像で放映されてます。また、美術館内で放映している「KATAGAMI Style」展の資料映像を、この歴史資料室内でも特別に放映中。
屋根裏の構造が見れるように、天井をアクリルにしてある部屋があって、見上げると一応見えることにはなっているのだけれど、下の光やモノが反射して全然良く見えない(笑)。現在、歴史資料室では「ジョサイア・コンドルが愛した日本展」もやっていて、コンドル時代の設計図なども展示されてます。この復元された一号館は、復元とは言ってもピッカピカのレプリカ。確かに古き良き時代の建物の雰囲気を真似て造られてはいるのだろうけれど、正直味があるような建物ではないかなと。というか、余りお金を掛けていなさそうに見えてしまうというか(笑)。明治期の銀行営業室の空間を出来る限り忠実に復元したミュージアムカフェはいい雰囲気なのですけれども。
歴史資料室とデジタル・ギャラリーは、多分美術館とは別に無料で見れるのではないかな。展覧会には興味はないけれどという方は、無料の部分やカフェで雰囲気を是非。ちなみに、昨日はカフェも外の舗道まで伸びる長蛇の列で残念ながら入れませんでしたー。
元々、オフィス棟や住居棟だった建物を復元したのを美術館にしたので、展示室が小部屋なんですね。で、予想以上に入場者が多くて笑っちゃうほど狭い、狭い。
アーツ・アンド・クラフツやアール・ンーヴォーなどに大きく影響を与えた日本の文様やデザイン。世界の美術館や博物館に収蔵されている型紙と、その影響が見られる作品を並べて紹介しているのだけれど、"影響"というよりはそのまんま作品にした"パクリ"に近いのではないかと(笑)。だって、殆どそのまんま絵の一部になっていたり、カーペットや布帛の柄になっていたりしてますから。
いわゆる芸術とは違って、文様は形を変えて世界を伝わり取り入れられていくものだと私は思っているけれど、江戸時代の町人の「粋」、小紋や型染めがこうやって世界の芸術活動に影響を与えているのを見ると(個人的には浮世絵がヨーロッバ芸術に与えた影響より判りやすいのではないかと)、日本人として誇らしいですよねぇ、やっぱり。どんなもんだい!って(笑)。
ちなみに、好きな人は好きな、英国で日本や東洋の装飾品と織物、美術品などを扱う小さな店をオープンしたのが始まりであるリバティ社のプリント。洋裁や手芸関係のお店やwebでもリバティ・プリントとして普通に売られているけれど、何かを作るにはその方が使いやすいんでしょうか、何てことない小花柄が人気みたいですね。私はリバティと言えば、アール・ヌーボー様式の緻密で曲線的、大胆な花柄こそリバティというイメージがあるので、小花柄だとリバティなのか何なのかわからないのですけれども。
狭いながらも400点以上の展示数ということで盛り沢山。いつものように、人だかりやノロノロ進むところはすっ飛ばしたりしていたので、平日のもうちょっと空いてる時にもう一度じっくり見たいですねぇ。
文様に興味があるからテキスタイルの学校へ行ったのか、そういう学校へ行ったから文様やパターンのようなものに惹かれるのか、だから着物洋服問わず生地の色・柄、果ては手拭いまで好きなのかわからないけれど、このKATAGAMI展は好き。やっぱり文様が好き。
この写真だとそう人は写ってないけれど、本当は結構な人なんですわ。私的には丸の内は勤め先=オフィス街というイメージなのだけれど、正直休みの日にここにこんなに人が来てるとは思わずびっくり。レストランは中もテラス席も人でギッシリ、人気どころのお店には行列・・・観光地でありお出掛けスポットでもあったのですね。
確かに、銀座、有楽町、国際フォーラム、丸の内と歩いて回れる範囲だし、最近は駅のショップだけでも楽しめる東京駅から近いし、街の雰囲気もいいし、考えてみたら近頃の銀座より落ち着いていい雰囲気のような気がするし、そりゃお出掛けスポットですよね。そう言えば、私達は昼前に美術館に入ったんですが、午後になって帰る時は入場制限をしていたみたいで、またビックリ。ふむ、初めての週末丸の内体験でした。
美術館といえば、ミュージアム・ショップを見るのもお楽しみ。そしてついつい散財させられて(して)しまうのですよね~。
学生時代や手拭いやバティック染めの関係で、日本の型紙や文様、世界の文様の本は何冊か持っているのだけれど、見ると欲しくなってしまう、でもそうそうお金は費やせない・・・ジレンマ。でも今回は何と図録(2800円)を買ってしまったのです。ふー、図録って「見たい」というより「持っていたい」という所有欲みたいなもんですよね。でも、せめて2000円以内ぐらいにしてくれるとありがたいんですが。
by sohla
| 2012-05-05 23:34
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