2010年 05月 12日
使わない資格
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インテリアから縁遠くなって、この記事「イタリア家具の「マクサルト」旗艦店オープン」を見て久し振りに思い出したイタリアの家具プランド。MAXALTO はB&B Italiaの最高級ラインで、クラッシック家具の趣や伝統的な職人技を大切にして、さらに現代的な味わいを加えたコンセプト(Maxalto websiteより)。
と言っても、私の家にあるわけではなくて、新潟でインテリアの仕事に就いていた時に扱ったことがあるだけ。扱ったと言っても、当時の売り場はarflex、B&B、そこにたまにCassinaが加わるのがメインで、B&Bよりも価格が高いMaxaltoを現品展示なぞ出来るワケがなく、話しのネタにとか、とっておきの顧客に勧めることぐらいしか取り扱う機会はなかったんです。これがもう15年ぐらい前のこと。
それでも、15-20年前に日本海側の売り場でこの商品構成を売りにしっかりと売り場を作って、尚且つコンスタントにそこそこの売り上げを上げていたのは奇跡みたいなものではなかったかと(笑)。当時のバイヤーとマネージャーの好みだったのもあるかも。こういったメインの商品を購入する顧客は殆どが外商付き顧客。もしフリーであればこのテの商品を求める顧客は他の関連した需要が出てくる確率も高いので(カーテン・カーペット・照明などのインテリア用品だけではなく、その他の高額品)、こちらから外商担当を新たにつけるといった感じで、さすがに店頭で「コレ下さい!」と買う普通のお客さんが多かったわけではないのですが。
地方都市なので、(もちろん好景気ではあったけれど)そもそも東京のような派手なバブル景気ではなかったお陰で、はじけても反動もそこまで大きくなかったのですよね。今はこんな景気で百貨店が前年実績を下回るなんて話しが続いているけれど、それまでは前年実績どころか、前年実績に上乗せした目標を達成出来ないなんてことは百貨店としては許されなかったんです(言い過ぎか、笑)。いや、でも商いなのでそりゃそうですよね、前年を下回ったら意味が無いと言うか。特に小売は日々コツコツと積み上げるしかないですし。
毎朝の朝礼で「今日の目標はいくら、前年比1××%」などと言われ、開店時間中も何時台の売り上げ、何時台の売り上げ、「ちょっと苦しいから今扱ってる物件で売り上げ計上出来るの何かない?」と耳元で囁かれ(笑)、それでも苦戦する時も普通にあるのだけれど、全館であの手この手で売り上げを作るんです(もちろん合法的に、笑)。でも、今はそんなことしても前年実績をクリアすることも出来ない厳しい時代なんでしょうね。そこのお金持ち、持ってるのはわかってるんだ!貯め込んでないで出てきなさい!って感じでしょうか(笑)。
と、話しが逸れましたけど、1回だけそのMAXALTOのリビングテーブルが売れたことがあるんです。確かB&Bの3人掛けソファとオットマン、それにひょんなことでカタログを見せたMAXALTOのリビングテーブルを購入されたのだったかと。特にMAXALTOは現物も見ず、直径120cm程度の円形で130万か300万というお値段。記憶が曖昧で全然違うんですが、「3」がついて百万単位だったことは覚えていて、3Pソファ自体が100万は超えていて、私的にはテーブルがそれに比べて「恐ろしく高い」と思ったのを覚えているので300万かも。んー、130万だったか・・・。ま、何でもアリの人で東京でのことなら大した額じゃないでしょうけれど・・・ねぇ。
確かに、とても綺麗と言うか不思議と言うか芸術的な自然の木目が本当に美しく、その木材をイタリアの職人技で加工した素晴らしいテーブルだったんです。モダンだけれどもシックで、「これは素材そのものだけでも芸術品だな」と思うくらい。確か、その木材自体がどこにでも限りなくあるわけではないのでMAXALTOが当時確保しているだけしか無い貴重な木材というような感じだったと思うんですね。
確かに素晴らしい。でも、それをカタログの写真を見て惹きつけられたというわけでもなく(少なくともそういう風には見えなかった)、特に何で素晴らしいのか、何でここまで高額なのか、どれだけ貴重なものなのかってなことも特に関心があるようでもなく、どうしても欲しいと思い続けていたわけでもなく、「・・・じゃ、それ頂こうかしら」と言うそのお客さんに、当時「へ?何とおっしゃいました?」みたいに脱力したもんです。やっぱり根っからの庶民でお金持ちの気持ちはわからないってことですね(笑)。
脱力したと言うか、ガッカリしたというか。
いや、お金を持ってる人たちからしたら、私みたいなのはしみったれた感覚なのでしょうけれども。
勧めるというか写真を見せたら「それちょうだい」と言われて、販売の労力は無し(その後の納品までの労力は掛るけれど)、売り上げ的にも万々歳で、何と合理的な商売だって感じですけれど、売る方としても「つまらない」し、お客さんとしても「お金持ってるのに面白くない買い物してるな」って私はその時感じたんですよね。全くもって余計なお世話で、自分は棚に上げて、ですけれども。
1万使うのも10万使うのも100万使うのも同じ感覚は(いや、本当は違うかも知れないけれども、傍からはそう見える)、もう感覚の違いだし、いくらをどういう使い方しようと、写真だけで何百万の買い物をしようと、私が不機嫌になることではないんですけれど(笑)、たいして興味を示されず、価値もわからず、でも買われて行くそのテーブルが、本当に素晴らしいものだけに不憫だなぁと(笑)。「魚屋野菜じゃあるまいし、この商品をその買い方はないだろー!」「真剣みが足らん!」みたいな。
でも、お金の価値というか重みというか、どのくらい持ってるかその量によって変わりますもんね。
当時の私はそんなお客様を相手にすることが多く、もっとシンプルに深く考えず割り切ってやってれば良かったのだけれど、な~んかウンザリしていたってのもあるのですよね。もちろん、とても良くして下さったお客さんも沢山いたし、ウンザリするような人ばかりじゃなかったですけれど、モノの価値や良し悪しや何かモノを買う喜びとかではなくて、どれだけ俺(お得意様)に対して百貨店が便宜を図る(値引きする)かしか考えてないお客さん&御用聞きに徹するだけの外商コンビの案件が続くとイラッとしたりして(笑)。このMAXALTOの件は結構そんな私の気持ちをダメ押しするような瞬間だったので覚えているんですよね~。
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年金のお知らせとか、何かの時に貰った資料とか、A4で来た封書ばかりためておいたのを、ちょっと整理しようと改めて1通1通見てみたら、何と去年の春が締め切りのインテリアの資格更新のお知らせがそのままになってるじゃないですか(笑)。
封は開けてあるので一度は見たんですね。それで後にしようと思って忘れていたか、もう更新はしないでいいやと思ってそのままにしたのか全く覚えていないんですけれど、期限が過ぎ資格を喪失したと思うとちょっと惜しい気も(笑)。
国家資格でもないし、それがあるからと言って仕事が出来ないものでもないし、4年か5年ごとに1万数千円の更新料がかかるし、そもそも今後その仕事をまたする機会も低いと思うけれど、一応、一通り勉強はしましたという証拠みたいなものだしな、どうするかな、としばし考えて念の為メールで問合せすると、直ぐに登録料を振り込めば更新可能とのこと。
ちょっと迷っちゃいますね、使わない資格、でも放ったらかしにしても更新に(多少でも)お金は掛るってなると。そう言えば、今までもその度に放棄するかどうか考えていたような。こういう使わなくなった資格はみなさんどうしてるんでしょう。
と、考えるのも面倒くさく、結局1年遅れで取りあえず更新だけしとくかということで登録料を振り込み、先日新しい証書と身分証が届きました。いつもこんな消極的更新をして来た気が(笑)。買い物で別にそれほど必要でもないのについ買ってしまった後のような無駄遣い感がちょっとアリ(笑)。
と言っても、私の家にあるわけではなくて、新潟でインテリアの仕事に就いていた時に扱ったことがあるだけ。扱ったと言っても、当時の売り場はarflex、B&B、そこにたまにCassinaが加わるのがメインで、B&Bよりも価格が高いMaxaltoを現品展示なぞ出来るワケがなく、話しのネタにとか、とっておきの顧客に勧めることぐらいしか取り扱う機会はなかったんです。これがもう15年ぐらい前のこと。
それでも、15-20年前に日本海側の売り場でこの商品構成を売りにしっかりと売り場を作って、尚且つコンスタントにそこそこの売り上げを上げていたのは奇跡みたいなものではなかったかと(笑)。当時のバイヤーとマネージャーの好みだったのもあるかも。こういったメインの商品を購入する顧客は殆どが外商付き顧客。もしフリーであればこのテの商品を求める顧客は他の関連した需要が出てくる確率も高いので(カーテン・カーペット・照明などのインテリア用品だけではなく、その他の高額品)、こちらから外商担当を新たにつけるといった感じで、さすがに店頭で「コレ下さい!」と買う普通のお客さんが多かったわけではないのですが。
地方都市なので、(もちろん好景気ではあったけれど)そもそも東京のような派手なバブル景気ではなかったお陰で、はじけても反動もそこまで大きくなかったのですよね。今はこんな景気で百貨店が前年実績を下回るなんて話しが続いているけれど、それまでは前年実績どころか、前年実績に上乗せした目標を達成出来ないなんてことは百貨店としては許されなかったんです(言い過ぎか、笑)。いや、でも商いなのでそりゃそうですよね、前年を下回ったら意味が無いと言うか。特に小売は日々コツコツと積み上げるしかないですし。
毎朝の朝礼で「今日の目標はいくら、前年比1××%」などと言われ、開店時間中も何時台の売り上げ、何時台の売り上げ、「ちょっと苦しいから今扱ってる物件で売り上げ計上出来るの何かない?」と耳元で囁かれ(笑)、それでも苦戦する時も普通にあるのだけれど、全館であの手この手で売り上げを作るんです(もちろん合法的に、笑)。でも、今はそんなことしても前年実績をクリアすることも出来ない厳しい時代なんでしょうね。そこのお金持ち、持ってるのはわかってるんだ!貯め込んでないで出てきなさい!って感じでしょうか(笑)。
と、話しが逸れましたけど、1回だけそのMAXALTOのリビングテーブルが売れたことがあるんです。確かB&Bの3人掛けソファとオットマン、それにひょんなことでカタログを見せたMAXALTOのリビングテーブルを購入されたのだったかと。特にMAXALTOは現物も見ず、直径120cm程度の円形で130万か300万というお値段。記憶が曖昧で全然違うんですが、「3」がついて百万単位だったことは覚えていて、3Pソファ自体が100万は超えていて、私的にはテーブルがそれに比べて「恐ろしく高い」と思ったのを覚えているので300万かも。んー、130万だったか・・・。ま、何でもアリの人で東京でのことなら大した額じゃないでしょうけれど・・・ねぇ。
確かに、とても綺麗と言うか不思議と言うか芸術的な自然の木目が本当に美しく、その木材をイタリアの職人技で加工した素晴らしいテーブルだったんです。モダンだけれどもシックで、「これは素材そのものだけでも芸術品だな」と思うくらい。確か、その木材自体がどこにでも限りなくあるわけではないのでMAXALTOが当時確保しているだけしか無い貴重な木材というような感じだったと思うんですね。
確かに素晴らしい。でも、それをカタログの写真を見て惹きつけられたというわけでもなく(少なくともそういう風には見えなかった)、特に何で素晴らしいのか、何でここまで高額なのか、どれだけ貴重なものなのかってなことも特に関心があるようでもなく、どうしても欲しいと思い続けていたわけでもなく、「・・・じゃ、それ頂こうかしら」と言うそのお客さんに、当時「へ?何とおっしゃいました?」みたいに脱力したもんです。やっぱり根っからの庶民でお金持ちの気持ちはわからないってことですね(笑)。
脱力したと言うか、ガッカリしたというか。
いや、お金を持ってる人たちからしたら、私みたいなのはしみったれた感覚なのでしょうけれども。
勧めるというか写真を見せたら「それちょうだい」と言われて、販売の労力は無し(その後の納品までの労力は掛るけれど)、売り上げ的にも万々歳で、何と合理的な商売だって感じですけれど、売る方としても「つまらない」し、お客さんとしても「お金持ってるのに面白くない買い物してるな」って私はその時感じたんですよね。全くもって余計なお世話で、自分は棚に上げて、ですけれども。
1万使うのも10万使うのも100万使うのも同じ感覚は(いや、本当は違うかも知れないけれども、傍からはそう見える)、もう感覚の違いだし、いくらをどういう使い方しようと、写真だけで何百万の買い物をしようと、私が不機嫌になることではないんですけれど(笑)、たいして興味を示されず、価値もわからず、でも買われて行くそのテーブルが、本当に素晴らしいものだけに不憫だなぁと(笑)。「魚屋野菜じゃあるまいし、この商品をその買い方はないだろー!」「真剣みが足らん!」みたいな。
でも、お金の価値というか重みというか、どのくらい持ってるかその量によって変わりますもんね。
当時の私はそんなお客様を相手にすることが多く、もっとシンプルに深く考えず割り切ってやってれば良かったのだけれど、な~んかウンザリしていたってのもあるのですよね。もちろん、とても良くして下さったお客さんも沢山いたし、ウンザリするような人ばかりじゃなかったですけれど、モノの価値や良し悪しや何かモノを買う喜びとかではなくて、どれだけ俺(お得意様)に対して百貨店が便宜を図る(値引きする)かしか考えてないお客さん&御用聞きに徹するだけの外商コンビの案件が続くとイラッとしたりして(笑)。このMAXALTOの件は結構そんな私の気持ちをダメ押しするような瞬間だったので覚えているんですよね~。
年金のお知らせとか、何かの時に貰った資料とか、A4で来た封書ばかりためておいたのを、ちょっと整理しようと改めて1通1通見てみたら、何と去年の春が締め切りのインテリアの資格更新のお知らせがそのままになってるじゃないですか(笑)。
封は開けてあるので一度は見たんですね。それで後にしようと思って忘れていたか、もう更新はしないでいいやと思ってそのままにしたのか全く覚えていないんですけれど、期限が過ぎ資格を喪失したと思うとちょっと惜しい気も(笑)。
国家資格でもないし、それがあるからと言って仕事が出来ないものでもないし、4年か5年ごとに1万数千円の更新料がかかるし、そもそも今後その仕事をまたする機会も低いと思うけれど、一応、一通り勉強はしましたという証拠みたいなものだしな、どうするかな、としばし考えて念の為メールで問合せすると、直ぐに登録料を振り込めば更新可能とのこと。
ちょっと迷っちゃいますね、使わない資格、でも放ったらかしにしても更新に(多少でも)お金は掛るってなると。そう言えば、今までもその度に放棄するかどうか考えていたような。こういう使わなくなった資格はみなさんどうしてるんでしょう。
と、考えるのも面倒くさく、結局1年遅れで取りあえず更新だけしとくかということで登録料を振り込み、先日新しい証書と身分証が届きました。いつもこんな消極的更新をして来た気が(笑)。買い物で別にそれほど必要でもないのについ買ってしまった後のような無駄遣い感がちょっとアリ(笑)。
by sohla
| 2010-05-12 20:31
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