2018年 01月 18日
『クインテットⅣ 五つ星の作家たち』@東郷青児記念 損保ジャパン日本興亜美術館
|
1/13(土)から開催されている『クインテットⅣ 五つ星の作家たち』展。内覧会に参加する機会があり参加して来ました。
この展覧会は、継続的な作品発表実績があり、将来有望な5人の中堅作家たちを紹介するシリーズ企画で今回が第4 弾。青木恵美子、竹中美幸、田中みぎわ、船井美佐、室井公美子の"五重奏"で近作・新作約80点が展示されています。 第4 回のテーマは「具象と抽象の狭間」。アートのテーマやタイトルは創作をしない者にとってはなかなかわかり難いですね。展覧会HPではこうあります。
"ポール・ゴーギャンは「芸術とはひとつの抽象なのだ」と言明し、絵画に思想・哲学的要素を取り入れました。5人の作家たちは、ゴーギャンの革新性を無意識に踏襲し、理知的な線と感覚的な色彩とを組合せ、世界を写すことと自己を表出する振幅の中で制作しています。
私たちと同時代に制作された、手法と環境も異なる5 人の作品を見ることは、「時代精神」に立ち会うことにほかなりません。具象と抽象の狭間の深い闇の中で光を求めて彷徨い続けているのが現代作家たちであり、私たち自身でもあるのです。"
この「芸術とはひとつの抽象なのだ」という言葉は、ゴーギャンが年下の画家エミール・シェフネッケルに宛てた手紙にある、
「一つ忠告しよう。自然をあまりにそっくりに描いてはいけない。(中略) 自然の前で夢見つつ、自然から中傷を引き出してくるのだ。そして結果よりも創造という行為について考えたまえ」
目に見えるものをどれだけ見たままに模写するかという印象派から、現実と人間の内面を統合し様式化した総合主義を実現させたゴーギャンの言葉だそう。
さて、出品された4名の作品はどれも個性があって見応えがある展示。その中でも私が惹かれたのは竹中美幸さんの作品。
35mmフィルムを使用した作品は、感光することで光をとらえ、色を与え、物体を浮かびあげさせたもの。また、キラキラ光る水滴のとその影や淡い色が美しいアクリルの作品や、柔らかい水彩の作品も透明感や浮遊感があって、光があるからこそ見える影や、白い余白に本当は描かれているもの…目に見えないものを感じるよう。
室井公美子
青木恵美子
深井美佐
田中みぎわ
中堅作家というのがミソで、内覧会オープニングで40歳まで継続的な芸術活動が出来るのはほんの一握りというようなことを話されていたのだけれど、こうやってある程度のボリュームでじっくりと作品を見ることができるのは貴重な機会なんだと思います。
作品も、またそれぞれの作家によるアーティストトークもそれぞれの個性が出ていて、入場者でごった返す鳴物入りの有名展覧会とは別に、たまにはこういう展覧会をじっくりと見るのもいいもの。
『クインテットⅣ 五つ星の作家たち』
東郷青児記念 損保ジャパン日本興亜美術館
会 期:2018年1月13日(土)~2月18日(日)
休館日:月曜日(2月12日、13日は開館)
時 間:10時~18時(入館は17:30まで)
この展覧会は、継続的な作品発表実績があり、将来有望な5人の中堅作家たちを紹介するシリーズ企画で今回が第4 弾。青木恵美子、竹中美幸、田中みぎわ、船井美佐、室井公美子の"五重奏"で近作・新作約80点が展示されています。
"ポール・ゴーギャンは「芸術とはひとつの抽象なのだ」と言明し、絵画に思想・哲学的要素を取り入れました。5人の作家たちは、ゴーギャンの革新性を無意識に踏襲し、理知的な線と感覚的な色彩とを組合せ、世界を写すことと自己を表出する振幅の中で制作しています。
私たちと同時代に制作された、手法と環境も異なる5 人の作品を見ることは、「時代精神」に立ち会うことにほかなりません。具象と抽象の狭間の深い闇の中で光を求めて彷徨い続けているのが現代作家たちであり、私たち自身でもあるのです。"
「一つ忠告しよう。自然をあまりにそっくりに描いてはいけない。(中略) 自然の前で夢見つつ、自然から中傷を引き出してくるのだ。そして結果よりも創造という行為について考えたまえ」
目に見えるものをどれだけ見たままに模写するかという印象派から、現実と人間の内面を統合し様式化した総合主義を実現させたゴーギャンの言葉だそう。
さて、出品された4名の作品はどれも個性があって見応えがある展示。その中でも私が惹かれたのは竹中美幸さんの作品。
室井公美子
青木恵美子
深井美佐
作品も、またそれぞれの作家によるアーティストトークもそれぞれの個性が出ていて、入場者でごった返す鳴物入りの有名展覧会とは別に、たまにはこういう展覧会をじっくりと見るのもいいもの。
『クインテットⅣ 五つ星の作家たち』
東郷青児記念 損保ジャパン日本興亜美術館
会 期:2018年1月13日(土)~2月18日(日)
休館日:月曜日(2月12日、13日は開館)
時 間:10時~18時(入館は17:30まで)
by sohla
| 2018-01-18 21:42
| みる・きく・かんがえる
|
Comments(0)