2017年 11月 05日
武雄温泉⑤ 朝活で楼門見学・説明会
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"宮原忠直は1893年に九州鉄道会社に入社、鉄道マンとして、門司、博多、佐賀、折尾の各駅で勤務。2年後の1895年4月に依願退社、武雄までの鉄道が開業した翌日の5月6日に宮原運送本店を創始。1907(明治40)年には日本逓送株式会社を設立、「九州の虎」と呼ばれ、九州の運送業界のトップを走るまでになった。
その一方で、1905(明治38)年、武雄温泉初代組長の祖父、3代・5代組長の父のあとを受け、武雄温泉組(のち武雄温泉株式会社)9代目組長となった。また、この期に地質学の専門家に依頼して3年がかりで新泉脈を発見、この泉脈を使った新館浴場の建築を計画。県会議員時代の1914(大正3)年から武雄温泉を中心に据えた「竜宮城」構想に基づくテーマパーク実現のため、東京駅の設計者で唐津出身の辰野金吾博士の設計事務所に「温泉楼門」と「新館」を発注し建設、翌年完成、武雄への観光客誘致に多大な効果を挙げた。"
そう、温泉娯楽施設、それも恐らく一部の人しか行けない様な敷居が高い高級施設じゃなくて、恐らく大衆が楽しめる施設。そのシンボルが竜宮城のような楼門。
この建物には釘が1本も使われていないそうで、どーやってこの建物が建っているのか不思議。この楼門と武雄温泉新館は東京駅を設計した辰野金吾博士の設計で大正4年(1915年)に建築、平成15年3月に復元され、平成17年7月22日に国の重要文化財に指定されてます。
まだガラスの製造技術が未熟で厚さが均一ではない創建当時のままの"むかしガラス"越しに、あの崩れ落ちそうな桜山の奇岩、新館や私が泊まった鷺乃湯など敷地を一望できていい眺め。
桜山の奇岩は目と鼻の先、昭和天皇行幸の楼門をバックにして目抜き通りを歩かれている写真もあります。
ちなみに、地名は明治に九州鉄道が開通した際に駅名を柄崎ではなく武雄にしてから武雄が一般的になったそうで、「塚崎」「柄崎」「墓崎」など呼ばれていたこともあるそう。「墓崎」…大昔はこの辺りは入り江だったと考えられ、古墳が散在していたのが由来らしい…入り江だったとは想像ができないけれど、そう言えば桜山の金毘羅宮がありました。古墳が散在…うはー、そうでしたか。今でもそういう土地の感じがします、します、凄くします。
現在は大衆浴場、新館、楼門がメインで敷地の真ん中は駐車場になってますが、展示されたかつての写真を見ると楼門を入った駐車場のところは花壇や噴水が造られていて、おとぎの国のよう。今でこそ1日遊べるスーパー銭湯やスパは珍しくないけれど、大正時代に竜宮城のような温泉レジャーランドとは発想が斬新ですよねぇ。
そして、この楼門の目玉は天井の四隅にある4つの干支。
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辰野金吾が意図したのかしなかったのか、遊び心だったのかどうなのかわからないそうだけれど、何となく想像を掻き立てる話しですよね。
和風様式の折上げ格天井。30cm四方の杉板に彫られた干支が、通気口を兼ねた四隅の開口部にはめ込まれてます(写真の黒い斜めに渡された木は復原の際に耐震のために付けられたもので、本来の造作ではない)。
話しによると、元々は辰野式と言われた西洋建築での構想だったのか、木造の和風建築になったそうで、辰野金吾の現存する和風建築は、あのクラッシックホテルの奈良ホテル、そして武雄にあるこの楼門と武雄温泉新館。ホテルのような格調高さとは違う、公共の建物でもない、民間の娯楽施設で予算も限られていたと思うのだけれど、東京駅のようないわゆる辰野式の赤レンガの西洋建築(1914年)と、竜宮城の様な木造和風建築(1915年)の対照的な建物が、ほぼ同時期に建てられたのだから、謎とまではいかなくても何か理由か事情があったような気はします。
この楼門見学会は来年の春まで、火曜日を除く毎日朝9時-10時の1時間だけ行われているので、近くに行かれたら是非。さて、見学会を終えて次は、現在は資料館として公開されている敷地内向いの武雄温泉新館を見てみます。
話しによると、元々は辰野式と言われた西洋建築での構想だったのか、木造の和風建築になったそうで、辰野金吾の現存する和風建築は、あのクラッシックホテルの奈良ホテル、そして武雄にあるこの楼門と武雄温泉新館。ホテルのような格調高さとは違う、公共の建物でもない、民間の娯楽施設で予算も限られていたと思うのだけれど、東京駅のようないわゆる辰野式の赤レンガの西洋建築(1914年)と、竜宮城の様な木造和風建築(1915年)の対照的な建物が、ほぼ同時期に建てられたのだから、謎とまではいかなくても何か理由か事情があったような気はします。
この楼門見学会は来年の春まで、火曜日を除く毎日朝9時-10時の1時間だけ行われているので、近くに行かれたら是非。さて、見学会を終えて次は、現在は資料館として公開されている敷地内向いの武雄温泉新館を見てみます。
by sohla
| 2017-11-05 00:50
| 国内の旅
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