2017年 03月 19日
guntu(ガンツウ)堀部安嗣展@TOTOギャラリー・間
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実は残念ながら建築にも詳しくなく、アンテナも張っていないので、堀部安嗣氏の名前も建築のことも知りませんでした。
で、なぜ見に行ったかと言うと、最近書き続けているせとうちの旅つながりで、広島の常石造船建造、瀬戸内海沿岸を周遊する宿泊型客船guntu(ガンツウ)が今年秋に就航予定というニュースを見ていたら、この堀部安嗣氏の設計であること、ちょうどTOTOギャラリー・間で開催中の展覧会で、模型や設計図、進水式の動画が見れるとあったからなんです。
せとうちの海にすっかり魅せられてしまった私、これ、乗船してみたくて、凄く体験してみたくて仕方ないのです。というかこの船で働いてみたいとまで思うほど。
近ごろは、列車だと豪華寝台列車の旅、また船だと客船でのラグジュアリーからカジュアルまでクルーズに参加する人も増加。どちらもそこそこお値段がして、豪華列車などは予約倍率も数倍から数十倍で超人気なのですよね。
でも、でも、私的にはどれに乗ってみたいかと言ったら、このguntu。
陸でいったら数百人も収容出来て、エンターテイメントもレストランもジムも何でもある大型ホテルのような客船も、それはそれでいいのかもしれないけれど(因みに私は大型客船の旅にはまだ惹かれません…)、あの穏やかで豊かで美しい瀬戸内海の島々を心で感じる旅にはこういう船だ!って、就航の記事を読んだとき、胸がわくわく、というか、そわそわ?ざわざわ?どうしよう?と思ったほど。
客室は19室のみ。テラスも兼ね備え、木材を多用した素足で寛げる空間の全室オーシャンビュー。設備には屋外暖炉や縁側も。乗客数38名。
あぁ、いいなぁ。
私、もしかしたら水上生活者に向いているのかも(そんなことないか)。
ということで、この「堀部安嗣展 建築の居場所」へ行って見たわけです。
TOTOギャラリーは初めて行ったのだけれど、コンパクトながらもギャラリー2つ、中庭、Bookshopとあって思った以上に充実してるんですね。建築を学んだり仕事にしている人たちでしょうか、とても沢山の方が展示に見入ってました。
1.プロフィール
2.イヴェール・ボスケ 2012年
3.阿佐ヶ谷の書庫 2013年
4.竹林寺納骨堂 位牌堂・本坊・庫裏 2013年~
5.荻窪の家 2015年
6.せとうちクルーズ船 guntu(ガンツウ)
7.事務所の日常風景(再現)
8.スライドショー(4分50秒)
9.南の家 1995年
10. ある町医者の記念館 1995年
11. 竣工模型と図面冊子
12. 彫刻「ECHO」
13. 音の庭(2分04秒)
14. 短編ドキュメンタリー映画「堀部安嗣 建築の鼓動」(30分)
近ごろは、列車だと豪華寝台列車の旅、また船だと客船でのラグジュアリーからカジュアルまでクルーズに参加する人も増加。どちらもそこそこお値段がして、豪華列車などは予約倍率も数倍から数十倍で超人気なのですよね。
でも、でも、私的にはどれに乗ってみたいかと言ったら、このguntu。
陸でいったら数百人も収容出来て、エンターテイメントもレストランもジムも何でもある大型ホテルのような客船も、それはそれでいいのかもしれないけれど(因みに私は大型客船の旅にはまだ惹かれません…)、あの穏やかで豊かで美しい瀬戸内海の島々を心で感じる旅にはこういう船だ!って、就航の記事を読んだとき、胸がわくわく、というか、そわそわ?ざわざわ?どうしよう?と思ったほど。
客室は19室のみ。テラスも兼ね備え、木材を多用した素足で寛げる空間の全室オーシャンビュー。設備には屋外暖炉や縁側も。乗客数38名。
あぁ、いいなぁ。
私、もしかしたら水上生活者に向いているのかも(そんなことないか)。
ということで、この「堀部安嗣展 建築の居場所」へ行って見たわけです。
TOTOギャラリーは初めて行ったのだけれど、コンパクトながらもギャラリー2つ、中庭、Bookshopとあって思った以上に充実してるんですね。建築を学んだり仕事にしている人たちでしょうか、とても沢山の方が展示に見入ってました。
1.プロフィール
2.イヴェール・ボスケ 2012年
3.阿佐ヶ谷の書庫 2013年
4.竹林寺納骨堂 位牌堂・本坊・庫裏 2013年~
5.荻窪の家 2015年
6.せとうちクルーズ船 guntu(ガンツウ)
7.事務所の日常風景(再現)
8.スライドショー(4分50秒)
9.南の家 1995年
10. ある町医者の記念館 1995年
11. 竣工模型と図面冊子
12. 彫刻「ECHO」
13. 音の庭(2分04秒)
14. 短編ドキュメンタリー映画「堀部安嗣 建築の鼓動」(30分)
堀部氏の家は詳しくは↓コチラで。
3階のギャラリー1では、中央の展示台に沢山の1/100スケールの竣工模型、図面、書籍が置いてあって、自由に手に取って見ることができます。また、その展示台のまわりに椅子が置いてあって座って閲覧できるのだけれど、それらの椅子は堀部氏自身が愛用し、設計した住宅にも紹介しているもの、照明も氏の設計によるものだそう。
椅子に座って竣工模型や図面を見入っている人、イージーチェアーに腰かけてスライドショーに映し出される堀部氏の言葉を眺める人、事務所の日常を再現したテーブルを囲んで座っている人、中庭では竹林寺で実際に使われているベンチに静かに座っている人、作品ごとに展示されている関連のある写真や品々を眺める人…あの小さなギャラリーが、どこも居心地の良い素敵な展示で、guntu目当てで来た素人は私ぐらいかも、なんてちょっと申し訳なく思いながらも展示を眺めてました。
何だろう、無意識のうちに心の奥底で望んている場所、人間らしく、自分らしくいれる場所って、形にするとこういう空間って気がするなぁ、と感じましたね。どこか堀部氏のつくった空間に身を置いて感じてみたくなりました。
ちょっと長いけれど、チラシに記載されていて、スライドショーでも流れていた堀部氏の言葉を書き留めておきます。
" 建築は、人の肉体の不完全さを補うために生まれました。雨・雪・日差し・湿気・風・暑さ、寒さなどの自然の脅威から身体を守り、安心して日々を送るための仕組みが必要だったからです。そうそう、肝心のguntu進水式の様子も収められている映像。僅かだけれど船がゆっくりと海へ出ていく様子、よかったなぁ。確か私がせとうち旅行をする10日ほど前の1/16だったそうで、知っていたら日程を合わせていたかも。見たかったな、進水式。
そうした人間の身体的な要求から生み出された建築は、純粋な機能と、それにふさわしい佇まいをもっていたように思います。そんな原始的な建築は、シンプルであるからこそ、人と人とが穏やかに向き合うことができる、あるいは孤独の時間を豊かに過ごすことができる場所も同時に生み出していたのではないでしょうか。そこには偉大な自然と、小さいけれども尊い人の営みとの調和の関係を見ることができます。そしてその風景はずっと昔から変わらず。人の記憶の奥底にあるのです。
今時を経て、建築は人びとのたくさんの希望や欲望を背負い、より複雑な役割を担うようになっています。それに伴い、建築が本来もっていた基本的な役割と佇まいがすこしずつ失われてきているように感じています。建築が人の身体から、そして自然から離れていっているのだと思います。
現代の生活や環境にしっかりと適合しながらも、人の等身大の身体的要求に軽やかに応えるもの。太古からの自然や人の記憶を呼び覚ますような、原初の力を感じられるもの。特殊なものではなく、誰もが納得して心落ち着ける佇まいをもつもの。建築がもう一度このすがたを表すことができたのなら、建築も人も、本来の居場所に戻ってゆけるのではないかと思います。"
by sohla
| 2017-03-19 22:18
| みる・きく・かんがえる
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